-
トップ
>
-
壯快
>
-
さうくわい
此夜のピアノの
響は、
今も
猶ほ
私の
耳に
殘つて、
※去の
出來事の
中で
最も
壯快な
事の一つに
數へられて
居るのである。
今の
宗助なら
目を
眩しかねない
事々物々が、
悉く
壯快の二
字を
彼の
額に
燒き
付けべく、
其時は
反射して
來たのである。
迅速で
且壯快な
變化を
目前に
見せる
火が
彼等の
惡戲好な
心をどれ
程誘導つたか
知れない。
彼は
落葉を
攫んでは
竈の
口に
投じてぼうぼうと
燃えあがる
焔に
手を
翳した。
『あゝ、
壯快、
壯快!。』と
私は
絶叫したよ。
櫻木海軍大佐は
徐かに
立上り
鐵車は
再び
猛烈なる
勢をもつて
木の
根を
噛み、
岩石を
碎いて
突進する。あゝ
好漢、
此男は
實に
壯快な
男兒だが、
惜むらくば
少しく
無鐵砲に
※ぎるので、
萬一の
※失が
無ければよいがと
思ふ
途端、
忽ち