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ずうたい
ふりがな文庫
“
図体
(
ずうたい
)” の例文
貴女
(
あなた
)
がそんな事をお言いなすっちゃ私は薬が
服
(
の
)
めなく成ります。この
図体
(
ずうたい
)
で、第一、宝丹を舐めようと云う柄じゃないんですもの。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
英夫を見くびって躍りかかって来た相手だけに、背負投はあざやかにきまって趙の
犢
(
こうし
)
のような
図体
(
ずうたい
)
は、もんどりうってはげしく鉄板の上を叩き
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
図体
(
ずうたい
)
の大きいわりに、気の弱いパン屋のおやじさんが、半分かじったパンを手にもったまま、泣きだしそうな声をだした。
空襲警報
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その骨組が巌丈で、大きな
図体
(
ずうたい
)
は、
駈競
(
かけくらべ
)
をする馬などと相対せしめるなら、その心持が
勿体
(
もったい
)
ないほど違うのであった。
玉菜ぐるま
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
が、その時、どうしたはずみか、熊ん蜂の大きな
図体
(
ずうたい
)
が、急に丸まつたと思うと、それこそ、木の実が落ちるように、ポタリと地面にころげ落ちた。
光は影を
(新字新仮名)
/
岸田国士
(著)
▼ もっと見る
そしてKは、いつもと同じように、不必要に深く彼女の大きな
図体
(
ずうたい
)
に食いこんでいるエプロンの
紐
(
ひも
)
を、見下ろした。
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
大きな
図体
(
ずうたい
)
で、おとなしく、いつまでも黙ってそうさせているので、とうとう私は彼女の
糞
(
ふん
)
を踏んづけてしまう。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
「手前のような大きな
図体
(
ずうたい
)
のやつを預ったうえに、日に一分ずつ払うのだと?……そんな割の悪い話はねえ」
顎十郎捕物帳:17 初春狸合戦
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
日本へ来て貿易商館を開いてからまだ間もない
瑞典
(
スエーデン
)
人で、キャリソン・グスタフという六尺有余の大男がある。
図体
(
ずうたい
)
に似合わぬ、途方もない神経質な奴であった。
葛根湯
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
何百万倍も大きな
図体
(
ずうたい
)
の彼奴等が
躍気
(
やっき
)
となっている、だから、この小さい俺達一人々々と
雖
(
いえど
)
もそれだけの「自負」を持って仕事をして行かなければならないと云った。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
「大きな
図体
(
ずうたい
)
をしてみっともない。いつまでも泣いていなさんな。さあさあ、皆も早く帰ったり!」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「あの角力も妙な男だよ。立派な
図体
(
ずうたい
)
をして、なんでまあああしているのかねえ。まるで権助同様なあつかいで、あのおばさんのことだから、ポンポン言ってらあね。」
旧聞日本橋:10 勝川花菊の一生
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
最近
体重器
(
かんかん
)
にかかりませんが、正月頃用件で郷里の広島に帰った時には二十三貫ありました、
図体
(
ずうたい
)
ばかりで恥かしい次第ですよ、と赤瀬が云うのに、いや、羨しいことです
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「猫八さん!」かの女はその太った
図体
(
ずうたい
)
を自慢そうに前の方へ運ばせながら、行き違いに、止せばいいのに、こちらへ、その図体にも似合わぬ優しい声をかけた、「今、お帰り?」
猫八
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
すると不意に「キャン、キャン。」というただならぬメリーの悲鳴がきこえた。びっくりして見ると、一匹の
図体
(
ずうたい
)
の大きな赤毛の犬が、逃げるメリーを追いまわしているのである。
犬の生活
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
図体
(
ずうたい
)
ばかり大きくて、胆っ玉の小さい
方
(
かた
)
ばかりですね。死んだっていいから、私たちはあの箱を
開
(
あ
)
けてみます。すみませんがその嚢を貸して下さいな、クロスリーさんのおかみさん。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
槍ヶ岳の洞窟には、狼岩を離れて来た『最上』が、大きな
図体
(
ずうたい
)
を入れている。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
たちまち、けんけんごうごう、二匹は一つの
手毬
(
てまり
)
みたいになって、格闘した。赤毛は、ポチの倍ほども大きい
図体
(
ずうたい
)
をしていたが、だめであった。ほどなく、きゃんきゃん悲鳴を挙げて敗退した。
畜犬談:―伊馬鵜平君に与える―
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ところが
図体
(
ずうたい
)
の大きい牛馬に飲ませるとなるとトテモ少々では利かないから獣医の処に在る吐酒石酸の瓶は相当に大きいのが用意して在る。ちょうど内科医の処に在る酒石酸の瓶ぐらいあるんだ。
無系統虎列剌
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
露路まで急いで歩いて来たところが、そういう道々を相前後して、片耳の大きな
図体
(
ずうたい
)
の男が、泣くような声を響かせて、「お妻さんお妻さん」と呼んでいるので、なんだか不思議な気持ちもしたし
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
動く島は、すっかり水びたしになり、おまけにあの大きな
図体
(
ずうたい
)
が四つぐらいにわれて、海の底にしずんでいったのです。
豆潜水艇の行方
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
すねた
顔色
(
つらつき
)
、ふてた
図体
(
ずうたい
)
、そして、身軽な旅人の
笠捌
(
かささば
)
きで、出女の中を
伸歩行
(
のしある
)
く、
白徒
(
しれもの
)
の不敵らしさ。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ひい、ふう、みい……まるで
暗闇坂
(
くらやみざか
)
でひとつ眼小僧にでもあったときのよう、大きな
図体
(
ずうたい
)
をしたふたりが、わあッ、と声をあげながら
一目散
(
いちもくさん
)
に居酒屋から逃げだした。
顎十郎捕物帳:21 かごやの客
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
総
(
すべ
)
ての樹木は、荒れ狂い、取り乱した
図体
(
ずうたい
)
を折り重ねる。その奥には、つぶらな眼と、白い
嘴
(
くちばし
)
に満たされた幾多の巣があるであろうと、にんじんは想像する。
梢
(
こずえ
)
が沈む。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
ぶつくさ不平をいいながらも、近付いて来たのを見ると、一人は、人相のあまりよくない
図体
(
ずうたい
)
の大きな支那人で、渋紙のような顔に、あぶらが、気持の悪いほどぎらぎらと浮いていた。
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
図体
(
ずうたい
)
が大きいから、あるいは二つ多いのかもしれない。したがって腕力も強い。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
五尺六寸四分の
大
(
でか
)
い
図体
(
ずうたい
)
をして、鬼をもひしがんばかりの
獰猛
(
どうもう
)
な人相をしているくせに、カミナリが怖いなぞと、バカばかりほざいているわけなのであるが、しかし自分ではそう思いながらも
雷嫌いの話
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
大きな
図体
(
ずうたい
)
の男、それは戸波博士の用心棒だった筈の山名山太郎であった。「先生は、大丈夫でしょうな」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それを
大袈裟
(
おおげさ
)
に礼を言って、
極
(
きまり
)
を悪がらせた上に、姿とは何事です。
幽霊
(
ゆうれい
)
じゃあるまいし、
心持
(
こころもち
)
を悪くする姿というがありますか。
図体
(
ずうたい
)
とか、
状
(
さま
)
とかいうものですよ。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
にんじんは、口を
噤
(
つぐ
)
ませるために、それを打とうとでもするように、そっと玉網の
棹
(
さお
)
を引き上げると、これはまた、
蘆
(
あし
)
の繁みから、大きな
図体
(
ずうたい
)
をした
蝲蛄
(
ざりがに
)
がいくつとなく現われてくる。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
「
図体
(
ずうたい
)
は昔から大きかったです」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
ピート一等兵は、大きな
図体
(
ずうたい
)
を、小さく縮めながら、失心したようになって、床を見つめている。
地底戦車の怪人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこで、おわびに、一つ貴女の顔を
剃
(
あた
)
らして頂きやしょう。いえ、自慢じゃありませんがね、
昨夜
(
ゆうべ
)
ッから申す通り、野郎
図体
(
ずうたい
)
は不器用でも、
勝奴
(
かつやっこ
)
ぐらいにゃ
確
(
たしか
)
に使えます。
剃刀
(
かみそり
)
を持たしちゃ
確
(
たしか
)
です。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
水牛
(
すいぎゅう
)
のように大きな
図体
(
ずうたい
)
をもった艦長の胸のなかを、一センチほど、
截
(
き
)
りひらいてみたかった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それでいてあの大きな
図体
(
ずうたい
)
をもった市街電車もいなければ、バスもいない。
深夜の市長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“図体”の意味
《名詞》
からだ。なり。
(出典:Wiktionary)
図
常用漢字
小2
部首:⼞
7画
体
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
“図”で始まる語句
図
図々
図星
図会
図書
図画
図太
図柄
図面
図抜