分間ふんかん)” の例文
このはなしが、わずか、三分間ぷんかんか、五分間ふんかんにしかぎなかったけれど、二人ふたりには、たいへんになが時間じかんついやしたごとくおもわれました。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
宗助そうすけこの三四分間ふんかんはしたたがひ言葉ことばを、いまだにおぼえてゐた。それはたゞをとこたゞをんなたいして人間にんげんたるしたしみをあらはすために、りする簡略かんりやく言葉ことばぎなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
たと這出はひだしたところでぬら/\とられてはおよそ五分間ふんかんぐらゐすまでにがあらうとおも長虫ながむしえたのでむことをわしまたした、途端とたん下腹したはら突張つツぱつてぞツと
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
分間ふんかん停車ていしやいて、昇降口しようかうぐちを、たうげ棧橋かけはしのやうな、くもちかい、夕月ゆふづきのしら/″\とあるプラツトフオームへりた一人旅ひとりたび旅客りよきやくが、恍惚うつとりとしたかほをしてたづねたとき立會たちあはせた驛員えきゐんは、……こたへた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
水潜みづくゞりをしい/\五分間ふんかんばかりもおよいでる、あしばかりがえる。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)