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出府
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しゆつぷ
去二日
出之書状到來いたし
委細拜見致し候
偖々其方にても段々
不如意との
趣き
蔭乍ら
案事申候
右に付御申
越の
娘儀出府致されべく候吉原町にも病家も有
レ之候間
宜しき先を
打兄作藏は
當時江戸麹町三丁目にて村井長庵と
言て
立派なる
醫者に成て居るとの由
故出府して兄の長庵に
委細を
噺し
頼まんものと
委敷手紙に
認めて長庵方へ
送りける其
文面に
曰く
取るものも
取り
敢へず、
夜に
日についで
出府したり。
救ひ
度存ずるなり因ては我等と
倶に江戸へ
出府有べしと申にぞ吉右衞門も
委細承知なし金子は
何程入りても苦しからず
何分宜しく頼み申と夫より吉右衞門平兵衞の兩人は
駕籠にて
晝夜を