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兼吉
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かねきち
ふりがな文庫
“
兼吉
(
かねきち
)” の例文
ふたりは、ひっしと花前の両手を
片手
(
かたて
)
ずつとらえて
離
(
はな
)
さない。ふたりはとうとう花前を主人のまえに引きすえて
訴
(
うった
)
える。
兼吉
(
かねきち
)
は
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
丸井は火鉢の上に身を
屈
(
かが
)
めつゝ「ぢや、先生、其の
兼吉
(
かねきち
)
と云ふのは、恋の
協
(
かな
)
はぬ意趣晴らしツてわけでは無かつたんでげすナ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
店の大戸を下ろしてしまってから、ホトホトと叩く者があるので、そこに居た小僧の
兼吉
(
かねきち
)
が、何の気もなく臆病窓を開けてヒョイと覗くと——
銭形平次捕物控:005 幽霊にされた女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いえ、ですからね、あの
兼吉
(
かねきち
)
に二俵、道之助に七斗、半四郎に五俵二斗——都合、三口合わせて三石七斗は容赦すると言っているんですよ。」
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
朝飯
(
あさめし
)
と
午餉
(
ひるめし
)
とを一つに片付けたる
兼吉
(
かねきち
)
が、
浴衣
(
ゆかた
)
脱捨てて引つ掛くる衣は
紺
(
こん
)
にあめ入の
明石
(
あかし
)
、
唐繻子
(
とうじゅす
)
の丸帯うるささうに
締
(
し
)
め
畢
(
おわ
)
り、
何処
(
どこ
)
かけんのある顔の
眉
(
まゆ
)
蹙
(
しか
)
めて
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
いえ、全くのはなし、あの商売をのれんでと、雇い人ごと買い取りましたときに
兼吉
(
かねきち
)
という一番番頭が申しますには、これこれこれこれのお
顧客
(
とくい
)
さまへ貸しになっている。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それから一時間ほどして、銀太郎は九本松の
兼吉
(
かねきち
)
の舟に助けられて家へ帰ったのである。
お繁
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
いつも少年ながら父親の
向鎚
(
むこうづち
)
をうっている
兼吉
(
かねきち
)
は、親ゆずりの忠君愛国の精神にもえ、少年団の先頭にたって、西へ東へと、教えられた通り、定められた街灯を消してまわっていた。
空襲警報
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
男「お屋敷か、あゝ此の間
兼吉
(
かねきち
)
が往ったっけのう、お
直
(
なお
)
、それ竹ヶ崎の
南山
(
みなみやま
)
でなア」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ナニ……
兼吉
(
かねきち
)
が貴様を毒殺しようとした?……」
いなか、の、じけん
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
兼吉
(
かねきち
)
と
五郎
(
ごろう
)
は、かわりがわり技師と花前との
身
(
み
)
ぶりをやって人を笑わせた。細君が花前を
気味
(
きみ
)
わるがるのも、まったくそのころから
消
(
き
)
えた。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
篠田の寂しき台所の火鉢に
凭
(
よ
)
りて、首打ち垂れたる
兼吉
(
かねきち
)
の
老母
(
はゝ
)
は、
未
(
いま
)
だ罪も定まらで牢獄に
呻吟
(
しんぎん
)
する我が愛児の上をや
気遣
(
きづか
)
ふらん、折柄誰やらん
訪
(
おとな
)
ふ声に
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
小僧の
兼吉
(
かねきち
)
を伝法院の門前まで走らせると、平次の予言した通り、易者の観相院は三日前から顔を見せないという話、近江屋夫婦も今さら
呆気
(
あっけ
)
に取られましたが、その代り
銭形平次捕物控:005 幽霊にされた女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
エヽ
是
(
これ
)
は
宜
(
よ
)
うがす、ナニ一
両
(
りやう
)
だとえ
大層
(
たいそう
)
安いね、お
貰
(
もら
)
ひ
申
(
まうし
)
て
置
(
お
)
きやせう、
小僧
(
こぞう
)
さんまた
木挽町
(
こびきちやう
)
の
方
(
はう
)
へでもお
使
(
つかひ
)
に
来
(
き
)
たらお
寄
(
よ
)
んなせえ、
私
(
わつし
)
は
歌舞伎座附
(
かぶきざつき
)
の
茶屋
(
ちやや
)
で
武田屋
(
たけだや
)
の
兼吉
(
かねきち
)
てえもんです
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ああ、
鍛冶屋
(
かじや
)
のおじさんだ、
兼吉
(
かねきち
)
君のお父さんだッ」
空襲警報
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
兼吉
(
かねきち
)
と
五郎
(
ごろう
)
は
洗
(
あら
)
いものをしている。
花前
(
はなまえ
)
が
例
(
れい
)
の
毅然
(
きぜん
)
たる
態度
(
たいど
)
で
技師
(
ぎし
)
先生のまえにでた。技師はむろん主人と見たので、いささかていねいに用むきを
談
(
だん
)
ずる。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
藤「
妾
(
わたし
)
の大嗜な……
兼吉
(
かねきち
)
という百姓かい」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
兼
常用漢字
中学
部首:⼋
10画
吉
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
“兼”で始まる語句
兼
兼好
兼々
兼実
兼而
兼帯
兼平
兼良
兼行
兼備