其次そのつぎ)” の例文
ドッと見物の間に笑い声が起ったので、其次そのつぎの「いつ余所よその男とくッつくかも知れなかった」という言葉は危く聞き洩す所だった。
白昼夢 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
なしたりし事なれば尋ねの廉々かど/\明白めいはくに白状に及びし故其次そのつぎに願山をよび出されて其方京都に有りしとき日野家に於ては何役なにやく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
料理人の方では最上の料理をはして、しかられたものだから、其次そのつぎからは二流もしくは三流の料理を主人しゆじんにあてがつて、始終められたさうだ。此料理人を見給へ。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
つひ隊長たいちやうにんりてもつとなへ、其次そのつぎもつ隊長たいちやうす。ここおいこれす。婦人ふじん(九)左右前後跪起さいうぜんごききみな(一〇)規矩繩墨きくじようぼくあたり、あへこゑいだすものし。
其次そのつぎつた時に、はらが立ちましたからギーツとおもてを開けて、廊下らうかをバタ/″\駈出かけだして、突然いきなり書斎しよさいひらをガチリバタリとけて先生のそばまできました、先生はおどろいて先
西洋の丁稚 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
れいになき子細しさいらしきおきやく呼入よびいれて二かいの六ぢよう三味線さみせんなしのしめやかなる物語ものがたりとしはれてはれて其次そのつぎおやもとの調しらべ、士族しぞくかといへばれははれませぬといふ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其次そのつぎは、何円以上は手拭、風呂敷、メリンスの風呂敷といふやうに、買物額に応じて品物を添へて貰つたものであつたがもうそれも廃せられて、今は得意先に盆暮に配られる十二支の風呂敷の他に
買ひものをする女 (新字旧仮名) / 三宅やす子(著)
其次そのつぎには經濟けいざい心得こゝろえひとは、衞生ゑいせい注意ちゆういするひとは、用心ようじんこのむものは、と三ぎやうならべていて其後そのあと瓦斯竈ガスがま使つかへといて、瓦斯竈ガスがまからてゐるまでへてあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あにですか」とよし子は其次そのつぎいた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)