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兵兒帶
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へこおび
ふりがな文庫
“
兵兒帶
(
へこおび
)” の例文
新字:
兵児帯
「
御蔭
(
おかげ
)
で
取
(
と
)
られた
品物
(
しなもの
)
が
又
(
また
)
戻
(
もど
)
りましたよ」と
云
(
い
)
ひながら、
白縮緬
(
しろちりめん
)
の
兵兒帶
(
へこおび
)
に
卷
(
ま
)
き
付
(
つ
)
けた
金鎖
(
きんぐさり
)
を
外
(
はづ
)
して、
兩葢
(
りやうぶた
)
の
金時計
(
きんどけい
)
を
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
せた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「さあ、
着
(
き
)
りもん着更へて。……」と早口をして、白メリンスの
兵兒帶
(
へこおび
)
に手をかけると、追ひ剥ぎのやうに竹丸のヨソイキの着物を脱がしかけた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
……
更
(
あらた
)
めて
言
(
い
)
ふまでもないが、
車賃
(
くるまちん
)
なしの
兵兒帶
(
へこおび
)
でも、
辻
(
つじ
)
、
巷
(
ちまた
)
の
盛
(
さか
)
り
場
(
ば
)
は
申
(
まを
)
すまでもない
事
(
こと
)
、
待俥
(
まちぐるま
)
の、
旦那
(
だんな
)
御都合
(
ごつがふ
)
で、を
切拔
(
きりぬ
)
けるのが、てくの
身
(
み
)
に
取
(
と
)
り
大苦勞
(
だいくらう
)
で。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
もう
其話
(
そのはな
)
しは
止
(
や
)
め/\といひながら
立
(
たち
)
あがる
時
(
とき
)
表
(
おもて
)
を
通
(
とほ
)
る
兵兒帶
(
へこおび
)
の一むれ、これ
石川
(
いしかは
)
さん
村岡
(
むらおか
)
さんお
力
(
りき
)
の
店
(
みせ
)
をお
忘
(
わす
)
れなされたかと
呼
(
よ
)
べば、いや
相變
(
あひかは
)
らず
豪傑
(
ごうけつ
)
の
聲
(
こゑ
)
かゝり
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「いや、どうもお世話樣になりやした!」と、
朴訥
(
ぼくとつ
)
な挨拶を背後に投げて、男は溜息をつきながら自分の
兵兒帶
(
へこおび
)
を解きにかかつた。さうして
浮腫
(
むくみ
)
のあるやうな青ぶくれた赤兒の死骸をその肌に抱いた。
嘘をつく日
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
▼ もっと見る
兩手を細い
兵兒帶
(
へこおび
)
に突込んだまゝ、のそ/\傍へやつて來た。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
粗末な
飛白
(
かすり
)
の着物に白い
兵兒帶
(
へこおび
)
をだらしなく結んで、「
居
(
を
)
るか」と太い聲をして來たことのあるのを思ひ出してゐた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「
何
(
なに
)
を
考
(
かんが
)
へて
入
(
い
)
らつしやるの」と
聞
(
き
)
いた。
宗助
(
そうすけ
)
は
兩手
(
りやうて
)
を
兵兒帶
(
へこおび
)
の
間
(
あひだ
)
に
挾
(
はさ
)
んで、
心持
(
こゝろもち
)
肩
(
かた
)
を
高
(
たか
)
くしたなり
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
やがて、
紺絣
(
こんがすり
)
に
兵兒帶
(
へこおび
)
といふ、
其
(
そ
)
の
上
(
うへ
)
、
旅窶
(
たびやつ
)
れのした
見
(
み
)
すぼらしいのが、おづ/\と
其
(
それ
)
へ
出
(
で
)
た。
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
自分の幅の廣い白縮緬の
兵兒帶
(
へこおび
)
に毒々しく絡んでゐる太い金鎖の色と比べなぞした。
兵隊の宿
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
寐
(
ね
)
る
時
(
とき
)
、
着物
(
きもの
)
を
脱
(
ぬ
)
いで、
寐卷
(
ねまき
)
の
上
(
うへ
)
に、
絞
(
しぼ
)
りの
兵兒帶
(
へこおび
)
をぐる/\
卷
(
ま
)
きつけながら
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
兵
常用漢字
小4
部首:⼋
7画
兒
部首:⼉
8画
帶
部首:⼱
11画
“兵”で始まる語句
兵児帯
兵
兵部卿
兵士
兵隊
兵糧
兵庫
兵燹
兵衛
兵站