“へこおび”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヘコオビ
語句割合
兵児帯75.0%
兵古帯9.2%
兵子帯9.2%
兵兒帶5.3%
兵子帶1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こいつを、古新聞で包んで、薄汚れた兵児帯へこおびでぐるぐると巻いてあるんだが、結びめは、はずれて緩んで、新聞もばさりと裂けた。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ちょっと思案してから兵古帯へこおびをぐるぐるほどき、着物まですっぽり脱いで、シャツと猿又さるまただけの姿になり
火の鳥 (新字新仮名) / 太宰治(著)
白薩摩の汚れた単衣ひとえ、紺染の兵子帯へこおび、いが栗天窓ぐりあたま団栗目どんぐりめ、ころころと肥えて丈の低きが、藁草履わらぞうり穿うがちたる、あにそれ多磨太にあらざらんや。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「さあ、りもん着更へて。……」と早口をして、白メリンスの兵兒帶へこおびに手をかけると、追ひ剥ぎのやうに竹丸のヨソイキの着物を脱がしかけた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
あつくるしいね、かすりの、大島おほしまなにかでせう、襟垢えりあかいたあはせに、白縮緬しろちりめん兵子帶へこおびはらわたのやうにいて、近頃ちかごろだれます、鐵無地てつむぢ羽織はおりて、温氣うんきに、めりやすの襯衣しやつです。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)