“旅窶”の読み方と例文
読み方割合
たびやつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
江戸から、広島へ、広島から、大阪、奈良へと、己の身体をかくすのに忙がしかった又五郎は、すっかり、陽に灼けて、旅窶たびやつれがしていた。
寛永武道鑑 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
そぼろな、旅窶たびやつれのした姿の旅人が、美しい錦の袋を大切さうに胸に下げてゐるので、胡麻の蠅が二人すぐ後に附いた。
茶話:12 初出未詳 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
岸本はこの珍客が火点ひともごろを選んでこっそりとたずねて来た意味をぐに読んだ。いたましい旅窶たびやつれのしたその様子で。手にした風呂敷包と古びた帽子とで。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)