“たびやつ”の漢字の書き方と例文
語句割合
旅窶100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがて、紺絣こんがすり兵兒帶へこおびといふ、うへ旅窶たびやつれのしたすぼらしいのが、おづ/\とそれた。
画の裡 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
笈摺おいずるも古ぼけて、旅窶たびやつれのした風で、白の脚絆きゃはんほこりまぶれて狐色になっている。母の話で聞くと、順礼という者は行方知れずになった親兄弟や何かを尋ねて、国々を経巡へめぐって歩くものだと云う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
旅窶たびやつれのした書生体の男が自分の前に立った。片隅へ身を寄せて、上りがまちのところへ手をつき乍ら、何か低い声で物を言出した時は、自分は直にその男の用事をて取った。
朝飯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)