仕出しいだ)” の例文
仕出しいだしませうまつたく舊冬御呼出およびいだしの節は丸龜へまゐりし留守るすの事又貴方あなたおいて參りたる廿五兩の金は私し共夫婦相談さうだんの上一人の娘を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
良兼は此の失敗に多く勇士を失ひ、気屈して、いきほひ衰へ、怏〻あう/\として楽まず、其後は何も仕出しいだし得ず、翌年天慶二年の六月上旬病死してしまつた。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
の様なる悪事を仕出しいだすか知れぬ此の大伴蟠龍軒を助けて置く時は天下の為にならぬから、彼を討って天下の為衆人の為にのちの害を除こうと
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
何のおたなものの白瓜しろうりがどんな事を仕出しいだしませう、怒るなら怒れでござんすとて小女こをんなに言ひつけてお銚子の支度
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
可懐しさもまるで過世すぐせの夢をここに繰返すようなもので、あえて、ここで何等のことを仕出しいだしたことはないが、天神下はその母親の生れた処だということについてである。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……ついこの神かつて出現無くして凶年相続き候へば、豊年の願として人々かの形を似せ供物くもつそなへ、古見三村より小舟一そうづゝ、にぎやかに仕出しいだし争はせ、祭の儀式を勤め候。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
あの人達は今に身上しんしょう仕出しいだすであろうと、荒物屋のおかみさんは羨ましそうに話した。
半七捕物帳:13 弁天娘 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
なまじお辰と婚姻を勧めなかったらかくも、我口わがくちから事仕出しいだした上はわが分別で結局つまりつけねば吉兵衛も男ならずと工夫したるはめでたき気象きしょうぞかし。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
なんのおたなものゝ白瓜しろうりんなこと仕出しいだしませう、をこるならをこれでござんすとて小女こをんなひつけてお銚子ちようし支度したく
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
……無法な事を仕出しいだして、諸君が萩原夫婦を追うて、鐘をく約束を怠って、万一、つちが泥海になったらどうする! 六ヶ村八千と言わるるか、その多くの生命は、諸君が自ら失うのじゃ。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見て世の中に能物よきもの醫者いしやなり何程の療治れうぢ出來できずとも流行出せばかくの如し我も故郷は勘當され此江戸へ來りて所々しよ/\方々はう/″\彷徨さまようばかりにて未だ何の仕出しいだしたる事もなくこれぞと云身過みすぎの思ひ付もなきをりなれば此上は何卒なにとぞして我も醫師いしやとなり長棒ながぼう駕籠かごにて往來なし一身の出世しゆつせ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
仕出しいださねばよいがと思ふゆゑ今一おうわたくどもかぎりにて掛合かけあひ夫にてもらちあかざる節は先生に願はんと申に後藤はなに貴樣きさまたち其樣に心配する事はなし某しとてもまんざら如才じよさいの事はせずまづ斯樣かやうにすべし拙者せつしやが八五郎殿の弟分おとゝぶんになり親類なりと云つて行ば仔細しさいなし貴樣達は先へ行て一通り懸合かけあはれよ某しは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)