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不滿
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ふまん
『では
私などは
徒に
苦み、
不滿を
鳴し、
人間の
卑劣に
驚いたり
計りしてゐますから、
白癡だと
有仰るのでせう。』
世の
中つて
厭なものだねと
歎息するに、それはお
前の
心がらだとて
不滿らしう
吉三の
言ひぬ。
『
然うね、
歌の
方が
好いわ、
萬望、
海龜の』と
愛ちやんが
熱心に
答へました、グリフォンは
頗る
不滿さうに、『フム!
面白くでもない!「
海龜肉汁」なんぞ、
何だ
老耄奴が?』
少し
寫眞の※が分りかけて來た
私にはとても
不滿でたまらない
程度のものだつた。
宗助は
此返事に
對して
少なからず
不滿を
感じたには
感じたが、
同じ
書信の
中に、
委細は
何れ
御面會の
節云々とあつたので、すぐにも
東京へ
行きたい
樣な
氣がして、
實は
斯う/\だがと
勘次は
殆んど
事毎に
冷笑の
眼を
以て
見られて
居るのであつたが
然しそれが
厭な
感情を
彼に
與へるよりも、
彼は
彼の
懷に
幾分の
餘裕を
生じて
來たことが
凡ての
不滿を
償うて
猶餘あることであつた。
「
左うですか」と
云つて
六づかしい
不滿な
顏をして
宗助を
見た。