“はたごや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
旅籠屋84.9%
旅人宿4.4%
旅宿2.5%
旅店2.5%
旅館1.3%
旅屋1.3%
旅亭0.6%
旅宿屋0.6%
旅籠0.6%
旅舎0.6%
旅龍0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「二三町行った処で、左側の、屋根の大きそうな家へ着けたのが、あおく月明りに見えたがね、……あすこは何かい、旅籠屋はたごやですか。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
急ぎ大坂渡邊わたなべ紅屋庄藏べにやしやうざう方へぞ着しける此紅屋といふ旅人宿はたごや金比羅こんぴら參りの定宿ぢやうやどにて常樂院は其夜主人あるじの庄藏を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
東京を立つて初めての、一行は山の上の旅宿はたごやで泊る事になつた。旅宿はたごやには大きな部屋が無かつたので、一行は廊下を隔てた二つのへやに分宿しなければならなかつた。
爰に大膳は神奈川の旅店はたごやにて婦人を切害せつがいし思ひがけぬ大金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
翌日は逢ってっていさめてどうしても京都にかえらせるようにすると言って、芳子はその恋人のもとうた。その男は停車場前のつるやという旅館はたごや宿とまっているのである。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
旅屋はたごやとか料理屋とか云う上等なものは駄目としても、自分と長蔵さんが這入ってしかるべきやたいちりゅうのがあすこにもここにも見える。しかし長蔵さんはごう支度したくをしそうにない。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
市街まちはづれの停車塲ステーシヨンから客待きやくまち馬車ばしやで、海岸かいがん附近まぢかある旅亭はたごやき、部室へやさだまりやが晝餉ひるげもすむと最早もはやなにことがない、ふね出港しゆつこうまではだ十時間じかん以上いじやう
旅宿屋はたごやを兼ねた田村為輔といふ人の宅で、離れ二階の広い座敷へ通された、良材を惜しげなく使つた建築で、畳も新しく、床の間には、七宝焼の瓶に、美しい草花が投げ込まれ、鹿の角の飾物や
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
「しかし貴客あなた、三人、五人こぼれますのは、旅籠はたごやでも承知のこと、相宿でも間に合いませぬから、廊下のはずれのかこいだの、数寄すき四阿あずまやだの、主人あるじ住居すまいなどで受けるでござりますよ。」
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お蘭は、月を越すと、相思の仲の、渋川宿の旅舎はたごや、布施屋の長男、進一のもとへ輿入ることになっていた。
猿ヶ京片耳伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
博士は今度又奈良へ出張して来たので、旅龍はたごやへ着くと直ぐそのをんなに口をかけて見た。だが、の悪い時には悪いもので、をんなは何かの用事で筑前の博多に旅をしてゐるといふ事が判つた。