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りよくわん
道子はアパートに
出入する
仕出屋の
婆さんの
勧めるがまゝ、
戦後浅草上野辺の
裏町に
散在してゐる
怪し
気な
旅館や
料理屋へ
出入りしてお
客を
取りはじめた。
自分は
在學當時の
舊友に
逢ふのを、
特に
避けたい
理由を
持つてゐたので、
彼の
旅館を
訪ねる
氣は
毛頭なかつた。
見合せ追て申達すべしとの
返翰なり斯樣に江戸表より粗略にすべからずとの
儀なれば
御城代の下知として
俄に天一坊の
旅官を前後左右に
竹矢來を結び前後に
箱番所を