“はたご”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
旅籠88.5%
旅宿5.1%
旅舎1.9%
旅店1.3%
旅館1.3%
客舎0.6%
旅人宿0.6%
旅寓0.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この女は滝の白糸なり。渠らの仲間は便宜上旅籠はたごを取らずして、小屋を家とせるものすくなからず。白糸もなり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼等はまず京橋きょうばし界隈かいわい旅籠はたごに宿を定めると、翌日からすぐに例のごとく、敵の所在を窺い始めた。
或敵打の話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
旅宿はたごの辻の角から、黒鴨仕立の車夫がちょろりと鯰のような天窓あたまを出すと、流るるごとく俥が寄った。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この方が汽車賃も要らねば、旅宿はたご賃もかゝらないのだから、地方人に取つて、どれけ便利か判らなかつた。
寝台のある旅舎はたご! どれでも選べ、女をあされ! 飲め、酒だ、歌え! それよりもだ
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
改札口を出ると、一人の車夫を探し出して来てそれに荷物を運ばせて、停車場前にならんでいる、汽車の待合所を兼ねた小さな旅舎はたごの一つへと上って行った。
田舎医師の子 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
道中だうちうにも旅店はたごにも、我儘わがまゝばかりまをして、今更いまさらはづかしうぞんじます、しかしくるま
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
世には隠れたれども、土地、故郷ふるさと旧顔ふるがおゆえ、いずれ旅店はたごにも懇意がある。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは今から半月程前に私が何気無く旅館はたごを出てご料林の方へ行ったことがあったが其途上みちすがらのことである。
温室の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「……と言われると、第一、東京の魚河岸の様子もよく知らないで、お恥かしいよ。――ここで言っては唐突だしぬけで、ちと飛離れているけれど、松江だね、出雲いずもの。……茶町という旅館はたご間近の市場で見たのは反対だっけ――今の……」
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
風雪ふうせつの一日を、客舎はたごの一室で、暮らす時に、彼は、よく空腹をかかえながら、五匹の鼠に向って、こんな事を云った。
仙人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そう云う時には、ほかに仕方もないから、うす暗い客舎はたごの片すみで、鼠を相手に退屈をまぎらせながら、いつもなら慌しい日の暮を、待ちかねるようにして、暮してしまう。
仙人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
麹町こうじまち三番町通のやす旅人宿はたご、三方壁でしきられた暑い室に初めて相対した時、ずかれの身に迫ったのは、基督キリスト教に養われた、いやに取澄ました、年に似合わぬ老成な、厭な不愉快な態度であった。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
われは拿破里の旅寓はたごに入りて、三通の書信に接したり。