旅舎はたご)” の例文
旧字:旅舍
そこは城下第一の御用旅舎はたご、本陣鍵屋の前であった。見ると、店さきに七ツ八ツの菰梱こもごりが積んである所へ、福知山松平家の御用札が打ってある。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
改札口を出ると、一人の車夫を探し出して来てそれに荷物を運ばせて、停車場前にならんでいる、汽車の待合所を兼ねた小さな旅舎はたごの一つへと上って行った。
田舎医師の子 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
日が落ちた、港へはいれ! 黎明れいめいが来たぞ、島へ隠れろ! ……大金がはいった、さあ上陸だ! 酒場、踊り場、寝台のある旅舎はたご! どれでも選べ、女をあされ! 飲め、酒だ、歌え! それよりもだ
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)