旅館はたごや)” の例文
その旅館はたごやは高田を始め、新旧俳優の多くが巣のやうにしてゐるが、松井須磨子なども、文芸協会の往時むかしから、いつも其家そこに泊つてゐる。
翌日は逢ってっていさめてどうしても京都にかえらせるようにすると言って、芳子はその恋人のもとうた。その男は停車場前のつるやという旅館はたごや宿とまっているのである。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
上田敏博士が文科大学教授として初めて京都の土を踏んだ時、腹が空いてゐたので、停車場ていしやぢやう近くの或る旅館はたごやへ飛込んで、昼飯ひるめしき立てたことがあつた。
大連の旅館はたごやで馬越氏は五人名前の電報を受取つた。