旅店はたごや)” の例文
莞爾くわんじとしてきながら、よし/\それもよし、蒲鉾かまぼこ旅店はたごや口取くちとりでお知己ちかづき烏賊いか鹽辛しほから節季せつきをかけて漬物屋つけものやのびらでとほり外郎うゐらう小本こほん物語ものがたり懇意こんいなるべし。
城の石垣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
爰に大膳は神奈川の旅店はたごやにて婦人を切害せつがいし思ひがけぬ大金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
やがて停車場ステエションへ出ながらると、旅店はたごやの裏がすぐ水田みずたで、となりとの地境じざかい行抜ゆきぬけの処に、花壇があって、牡丹が咲いた。竹の垣もわないが、遊んでいた小児こどもたちも、いたずらはしないと見える。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これは、その翌日の晩、おなじ旅店はたごやの、した座敷でのことであった。……
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)