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はたごや
莞爾として
聞きながら、よし/\
其もよし、
蒲鉾は
旅店の
口取でお
知己、
烏賊の
鹽辛は
節季をかけて
漬物屋のびらで
知る
通、
外郎は
小本、
物語で
懇意なるべし。
爰に大膳は神奈川の
旅店にて婦人を
切害し思ひ
懸ぬ大金を
やがて
停車場へ出ながら
視ると、
旅店の裏がすぐ
水田で、
隣との
地境、
行抜けの処に、花壇があって、牡丹が咲いた。竹の垣も
結わないが、遊んでいた
小児たちも、いたずらはしないと見える。
これは、その翌日の晩、おなじ
旅店の、
下座敷でのことであった。……