“きんき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
近畿30.0%
欣喜16.0%
錦旗12.0%
禁忌10.0%
琴棋8.0%
金気6.0%
嶔奇2.0%
金匱2.0%
金氣2.0%
金着2.0%
金著2.0%
金被2.0%
錦布2.0%
錦綺2.0%
錦葵2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの恐ろしい函館はこだての大火や近くは北陸地方の水害の記憶がまだなまなましいうちに、さらに九月二十一日の近畿きんき地方大風水害が突発して
天災と国防 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
これを総括して改めて世にのこすことを慫慂しょうようせられ、さらにその整理校訂の労までを引き受けてくれられたことは、自分としては抑制しあたわざる欣喜きんきである。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
しかし思い給え、今や、小藩足利は、危機目前、ひと度、錦旗きんきのまえに、賊名を負わば、何を以て、千ざい日月のもとに、武士の名がござろう。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
途中で禁忌きんき症状が出れば、自分だけ途中下車して、病院に強制入院させられるでしょう。万一家に帰りついても、内地じゃ薬は自由にならないからね。
狂い凧 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
たたき、また、僻村へきそんの友など訪ねて琴棋きんきをもてあそび、詩画に興じ、まったく往来のはかり難い兄のことですから……今日も何処へ行きましたことやら?
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けだし弓は昔時せきじにあつては神聖なる武器にして、戦場に用ゐらるるは言ふまでもなく、蟇目ひきめなどとて妖魔ようまはらふの儀式もある位なれば、金気きんき粛殺しゅくさつたるに取り合せておのずから無限の趣味を生ずるを見る。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
昌卿ノ考竹渓先生ハ幕府ニ仕フ。余カツテコレヲレリ。嶔奇きんき歴落号シテ奇士トス。昌卿ハケダシコレニタリ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
共に山精野鬼さんせいやきを借りて、乱臣賊子を罵殺せんとす。東西一双の白玉瓊はくぎよくけい金匱きんきざうに堪へたりと云ふべし。(五月二十八日)
知る者なし然ども時として鷄の聲などのきこゆる事ありて此は金氣きんきの埋れあるゆゑなりと評するのみ又誰も其他をさだかに知るものなかりける然るに其屋敷の下に毛利家の藩中にて五十石三人扶持ふち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
金着きんきせにせよ、本物にせよ、彼がどこでいくらで買ったのか知るものは誰もなかった。こういう点に掛けては無頓着むとんじゃくでいられない性分の姉も、ただ好い加減にその出処を推察するに過ぎなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
單四嫂子はまだほかに銀の耳輪と金著きんきせの銀かんざしを一本持っているので、それを咸亨の番頭さんに渡し、番頭さんが引受人になって、なかば現金、なかば掛で棺桶を一つ買い取ることにした。
明日 (新字新仮名) / 魯迅(著)
打った、——釜は金被きんきせの大贋物おおにせものさ。それを藤六の親孝行の徳で網へかかった事にし、お上のお目こぼしをいいことに金儲けを企んだのさ
九段からあのお壕端かけてかえりはことに錦布きんきれの薩摩侍が大ぜい殺気立っていたっけ、このごろ毎度のことだから気にも留めていなかったし、それにこっちは師匠のことで一杯だったから
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
賊等ぞくらきそうてこれをあばく。はう一丈いちぢやうばかりるに、地中ちちうふかところ四個しこ房閣ばうかくありけり。たゞひがしばうには、弓繒きうそう槍戟さうげきちたる人形にんぎやうあり。みなみばうには、繒綵そうさい錦綺きんきうづたかし。はいありていは周夷王所賜しうのいわうたまふところ錦三百端にしきさんびやくたんと。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「市場では錦葵きんきあたいがひどくやすい、これこそめっけものだよ」
酒友 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)