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黒髯
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くろひげ
ふりがな文庫
“
黒髯
(
くろひげ
)” の例文
朱鷺色
(
ときいろ
)
の
扱帶
(
しごき
)
と
云
(
い
)
ふので、
件
(
くだん
)
の
黒髯
(
くろひげ
)
の
大
(
おほ
)
きな
膝
(
ひざ
)
に、かよわく、なよ/\と
引
(
ひき
)
つけられて、
白
(
しろ
)
い
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
く
蔓草
(
つるくさ
)
のやうに
居
(
ゐ
)
るのを
見
(
み
)
た。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
寧
(
いっ
)
そ
今夜
(
こよい
)
はこのままで」トおもう頃に漸く眼がしょぼついて来て
額
(
あたま
)
が乱れだして、今まで眼前に
隠見
(
ちらつい
)
ていた母親の
白髪首
(
しらがくび
)
に
斑
(
まばら
)
な
黒髯
(
くろひげ
)
が生えて……課長の首になる
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
不意に橋の上に味方の騎兵が
顕
(
あらわ
)
れた。藍色の軍服や、赤い筋や、鎗の穂先が
煌々
(
きらきら
)
と、一隊
挙
(
すぐ
)
って五十騎ばかり。隊前には
黒髯
(
くろひげ
)
を
怒
(
いか
)
らした一士官が
逸物
(
いちもつ
)
に
跨
(
またが
)
って進み行く。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
乾坤一擲
(
けんこんいってき
)
、二ツの木剣は広場の真っ唯中に組み置かれた。一方から静々と現われたのは
扮装
(
いでたち
)
変らぬ春日重蔵、反対側から徐々と進み出たのは
未
(
いま
)
だ名乗りを聞かぬ
黒髯
(
くろひげ
)
の武士だ。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
御者
(
ぎよしや
)
はこと/″\く女裝せり。忌はしき行裝かな。女帽子の下より
露
(
あらは
)
れたる
黒髯
(
くろひげ
)
、あら/\しき身振、皆程を過ぎて醜し。我はきのふの如く此間に立ちて快を取ること能はず。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
王さまは
黒髯
(
くろひげ
)
に
埋
(
う
)
まった
大蔵大臣
(
おおくらだいじん
)
に
言
(
い
)
われました。
四又の百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
畏
(
かしこ
)
まつて
候
(
さふらふ
)
と、
右左
(
みぎひだり
)
から
頸首
(
えりくび
)
を
取
(
と
)
つてのめらせる、とお
妾
(
めかけ
)
面
(
おもて
)
を
蔽
(
おほ
)
うた
時
(
とき
)
、
黒髯
(
くろひげ
)
は
眉
(
まゆ
)
を
顰
(
ひそ
)
めて
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
漆
(
うるし
)
の
中
(
なか
)
に
眼
(
まなこ
)
の
輝
(
かゞや
)
く、
顏面
(
がんめん
)
凡
(
すべ
)
て
髯
(
ひげ
)
なるが、
兩腿
(
りやうもゝ
)
出
(
だ
)
した
毛
(
け
)
むくぢやら、
蝟
(
はりせんぼん
)
の
大胡坐
(
おほあぐら
)
で、
蒋生
(
しやうせい
)
をくわつと
睨
(
にら
)
む、と
黒髯
(
くろひげ
)
赤
(
あか
)
く
炎
(
ほのほ
)
に
照
(
て
)
らして、「
何奴
(
どいつ
)
だ。」と
怒鳴
(
どな
)
るのが、ぐわんと
響
(
ひゞ
)
いた。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
黒
常用漢字
小2
部首:⿊
11画
髯
漢検1級
部首:⾽
15画
“黒”で始まる語句
黒
黒子
黒繻子
黒人
黒煙
黒白
黒雲
黒檀
黒髪
黒奴