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とりけもの
ふりがな文庫
“
鳥獣
(
とりけもの
)” の例文
旧字:
鳥獸
お沢 あの、人に見つかりますか、
鳥獣
(
とりけもの
)
にも
攫
(
さら
)
われます。故障が出来そうでなりません。それで……身につけて出ましたのです。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
また洞の外には累々たる白骨の、
堆
(
うずたか
)
く積みてあるは、年頃金眸が取り
喰
(
くら
)
ひたる、
鳥獣
(
とりけもの
)
の骨なるべし。黄金丸はまづ
洞口
(
ほらぐち
)
によりて。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
「さあ早う。猶予している場合ではござらぬ。お身たちは狩場の
鳥獣
(
とりけもの
)
じゃ。狩人に見付けられたら何とせらるる。さ、早う。」
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「近ごろ、
鳥獣
(
とりけもの
)
もいなくなった。生き物は人間だけの山になった。ぜひなく、合戦のないほかの山へ退散の途中でおざるよ」
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
よくこそそういう所へお気が付かれました。
鳥獣
(
とりけもの
)
を取る事を知って食べる事を知らなければ
折角
(
せっかく
)
の獲物の
価値
(
ねうち
)
がありません。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
この笛を吹きさえすれば、
鳥獣
(
とりけもの
)
は云うまでもなく、
草木
(
くさき
)
もうっとり聞き
惚
(
ほ
)
れるのですから、あの
狡猾
(
こうかつ
)
な土蜘蛛も、心を動かさないとは限りません。
犬と笛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「いや、そんなんじゃありません、
鳥獣
(
とりけもの
)
の
沙汰
(
さた
)
じゃないのでごわす、人類が食うか食わぬかの問題でして……」
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それからこの
玉
(
たま
)
を
耳
(
みみ
)
に
当
(
あ
)
てれば、
鳥獣
(
とりけもの
)
の
言葉
(
ことば
)
でも、
草木
(
くさき
)
や
石
(
いし
)
ころの
言葉
(
ことば
)
でも、手に
取
(
と
)
るように
分
(
わ
)
かります。この二つの
宝物
(
たからもの
)
を
子供
(
こども
)
にやって、
日本
(
にっぽん
)
一の
賢
(
かしこ
)
い人にして
下
(
くだ
)
さい。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
湿つた石壁に
凝
(
こ
)
つて
滴
(
した
)
たる水が流れて二つの水盤に入る。寂しい
妄想
(
まうざう
)
に耽りながら此中の道を歩く人に伴侶を与へるためか、
穹窿
(
きうりう
)
には銅で鋳た
種々
(
いろ/\
)
の
鳥獣
(
とりけもの
)
が据ゑ附けてある。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
来ん世はあれかりのうき身もたふとしな
鳥獣
(
とりけもの
)
にも生れざりしは
礼厳法師歌集
(新字旧仮名)
/
与謝野礼厳
(著)
手から出たのは
鳥獣
(
とりけもの
)
、水に沈めば
魚
(
うお
)
くずに
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
珍
(
めづ
)
らなる月の世界の
鳥獣
(
とりけもの
)
映像
(
うつ
)
すと聞けり。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
いや、奥方様、この姥が
件
(
くだん
)
の舌にて
舐
(
な
)
めますると、
鳥獣
(
とりけもの
)
も人間も、とろとろと消えて骨ばかりになりますわ。……そりゃこそ、申さぬことではなかった。
天守物語
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
鳥獣
(
とりけもの
)
すら
殺手
(
ころして
)
をのばせば、未然に感得して逃げるではありませんか。まして万物の霊長たるものが、至上の生命に対して、なんで無感覚におられましょうや」
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
我々は今まで
鳥獣
(
とりけもの
)
を撃つ事ばかり知って食べる事を知らなかったのです。鳥や獣へ
菓物
(
くだもの
)
のソースを
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
するとまた不思議なことには、どんな
鳥獣
(
とりけもの
)
や
草木
(
くさき
)
でも、笛の面白さはわかるのでしょう。
犬と笛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あれごらんなさい、あの
白根山
(
しらねさん
)
の山つづき、
鳥獣
(
とりけもの
)
でさえも
通
(
かよ
)
えるものではございませぬ。
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
やるせなく
騒
(
さや
)
ぎいでぬる
鳥獣
(
とりけもの
)
。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「ここから眼に入るだけでも、何万人ていう寄手の軍勢だ。花なら一目千本といえるが、みんな鼠色になった旗やら
幟
(
のぼり
)
だらけ。いや
鳥獣
(
とりけもの
)
は驚いていやがるだろうナ」
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして幾日も幾日もの間、とてもごっちょう(苦労)して、山という山は残るところなく、ほかの
鳥獣
(
とりけもの
)
には目もくれず、ただ手白猿ばっか探し廻ったが、その
行方
(
ゆくえ
)
はかいもくわからなかった。
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「浅ましい。御父子のおん仲に、左様な弓矢が交わされてよいものか。
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
、
鳥獣
(
とりけもの
)
の
類
(
たぐい
)
すらだに」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
世の有様を、
鳥獣
(
とりけもの
)
の遊戯に
擬
(
ぎ
)
して、思うままな
諷刺画
(
ふうしが
)
を描き、自分も遊戯
三昧
(
ざんまい
)
に暮していた鳥羽僧正は、保延六年の秋、
忽然
(
こつぜん
)
と、死んだ。——八十余歳であったという。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鳥獣
(
とりけもの
)
にすら、その天禄がある。けれど、人間たちは、世のために働けという天のご使命を
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鳥
常用漢字
小2
部首:⿃
11画
獣
常用漢字
中学
部首:⽝
16画
“鳥”で始まる語句
鳥
鳥渡
鳥目
鳥屋
鳥居
鳥羽
鳥打帽
鳥籠
鳥越
鳥打