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かどやしき
ふりがな文庫
“
角屋敷
(
かどやしき
)” の例文
早い話が、近所
界隈
(
かいわい
)
を御覧、銀座の
角屋敷
(
かどやしき
)
は何処も一代で潰れるという評判だけれど、何も角屋敷に限った話じゃない。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
いわんやこんな
燻
(
くすぶ
)
り返った老書生においてをやで、
私
(
わたし
)
の
家
(
うち
)
は向う横丁の
角屋敷
(
かどやしき
)
ですとさえ云えば職業などは聞かぬ先から驚くだろうと予期していたのである。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「つかんことを聞くがね、お前さんは
何
(
なん
)
じゃないかい、この、
其処
(
そこ
)
の
角屋敷
(
かどやしき
)
の
内
(
うち
)
の人じゃないかい。」
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大阪の東町奉行所は城の
京橋口
(
きやうばしぐち
)
の外、京橋
通
(
どほり
)
と
谷町
(
たにまち
)
との
角屋敷
(
かどやしき
)
で、
天満橋
(
てんまばし
)
の
南詰
(
みなみづめ
)
東側にあつた。東は城、西は谷町の通である。南の
島町通
(
しままちどほり
)
には街を隔てて
籾蔵
(
もみぐら
)
がある。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
柳の馬場を半分めぐって、侍小路へ曲がる
濠端
(
ほりばた
)
の二つ目の辻——そこの大きな
角屋敷
(
かどやしき
)
だった。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
わたしは暗い
軒通
(
のきづた
)
いに、
小川通
(
おがわどお
)
りを
下
(
くだ
)
って来ると、ふと辻を一つ
曲
(
まが
)
った所に、大きい
角屋敷
(
かどやしき
)
のあるのを見つけました。これは京でも名を知られた、
北条屋弥三右衛門
(
ほうじょうややそうえもん
)
の本宅です。
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
毅堂の新に居を
卜
(
ぼく
)
した竹町四番地の家は旧
寄合生駒
(
よりあいいこま
)
大内蔵の邸内に
祀
(
まつ
)
られた
金毘羅
(
こんぴら
)
神社とその
練塀
(
ねりべい
)
を連ねた
角屋敷
(
かどやしき
)
で、旧幕府
作事方
(
さくじかた
)
の役人が住んでいた屋敷であったということである。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
八百兩にて
請出
(
うけいだ
)
し
嫁
(
よめ
)
となし
吉之助
(
きちのすけ
)
が
勘當
(
かんだう
)
をも免し
目出度
(
めでたく
)
夫婦
(
ふうふ
)
として喜八夫婦には
横山町
(
よこやまちやう
)
角屋敷
(
かどやしき
)
穀物店
(
こくものみせ
)
に三百兩
附
(
つけ
)
て
與
(
あた
)
へ家主
平兵衞
(
へいべゑ
)
へは
右
(
みぎ
)
横山町
(
よこやまちやう
)
地面
(
ぢめん
)
間口
(
まぐち
)
十
間
(
けん
)
奧行
(
おくゆき
)
十八
間
(
けん
)
の
怙劵
(
こけん
)
に
種々
(
いろ/\
)
音物
(
いんもつ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
両国二丁目の
角屋敷
(
かどやしき
)
。
顎十郎捕物帳:19 両国の大鯨
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「実は私はつい御近所で——あの向う横丁の
角屋敷
(
かどやしき
)
なんですが」「あの大きな西洋館の倉のあるうちですか、道理であすこには
金田
(
かねだ
)
と云う
標札
(
ひょうさつ
)
が出ていますな」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あれ。
角屋敷
(
かどやしき
)
の次郎丸様もゆく。
御池前
(
おいけまえ
)
の旦那さまも、馬に召されて行かっしゃる」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これが
角屋敷
(
かどやしき
)
で、
折曲
(
をれまが
)
ると
灰色
(
はひいろ
)
をした
道
(
みち
)
が
一筋
(
ひとすぢ
)
、
電柱
(
でんちう
)
の
著
(
いちじる
)
しく
傾
(
かたむ
)
いたのが、
前
(
まへ
)
と
後
(
うしろ
)
へ、
別々
(
べつ/\
)
に
頭
(
かしら
)
を
掉
(
ふ
)
つて
奧深
(
おくぶか
)
う
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る、
鋼線
(
はりがね
)
が
又
(
また
)
半
(
なか
)
だるみをして、
廂
(
ひさし
)
よりも
低
(
ひく
)
い
處
(
ところ
)
を、
弱々
(
よわ/\
)
と、
斜
(
なゝ
)
めに
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
石川の邸は水道橋外で、今
白山
(
はくさん
)
から来る電車が、お茶の水を降りて来る電車と行き逢う
辺
(
あたり
)
の
角屋敷
(
かどやしき
)
になっていた。しかし伊織は
番町
(
ばんちょう
)
に住んでいたので、上役とは詰所で落ち合うのみであった。
じいさんばあさん
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
角屋敷
(
かどやしき
)
の金田とは、どんな構えか見た事は無論ない。聞いた事さえ今が始めてである。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これが
角屋敷
(
かどやしき
)
で、
折曲
(
おれまが
)
ると灰色をした道が
一筋
(
ひとすじ
)
、電柱の
著
(
いちじる
)
しく傾いたのが、
前
(
まえ
)
と
後
(
うしろ
)
へ、別々に
頭
(
かしら
)
を
掉
(
ふ
)
って
奥深
(
おくぶこ
)
う立って居る、
鋼線
(
はりがね
)
が又
半
(
なか
)
だるみをして、廂よりも低い
処
(
ところ
)
を、
弱々
(
よわよわ
)
と、斜めに
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
角
常用漢字
小2
部首:⾓
7画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
敷
常用漢字
中学
部首:⽁
15画
“角屋”で始まる語句
角屋