見覺みおぼ)” の例文
新字:見覚
予が面體めんたい見覺みおぼあるかとの御尋なり此時忠右衞門かしこまり奉る上意の通り私し儀山田奉行勤役中きんやくちう先年阿漕が浦なる殺生禁斷せつしやうきんだんの場所へ夜々よな/\あみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はてれでも此姿このすがたなにとして見覺みおぼえがあるものかと自問自答じもんじたふをりしも樓婢ろうひのかなきりごゑに、いけはたから車夫くるまやさんはおまへさんですか。
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
が、砂地すなぢ引上ひきあげてある難破船なんぱせんの、わづかに其形そのかたちとゞめてる、三十こくづみ見覺みおぼえのある、ふなばたにかゝつて、五寸釘ごすんくぎをヒヤ/\とつかんで、また身震みぶるひをした。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かけやうやく敵をうちて候と申立しかば大岡殿不審ふしんに思はれ其方敵の面體めんていかね見覺みおぼえ居たるや覺束おぼつかなしと有しに瀬川せがは其事そのことは上方のきやく三人半左衞門へ金四百兩あづけ候とて證文しようもん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
うまつたはうからしながら「みなさん、ひるすぎに、見付みつけの米屋こめやうまです。あのうまつら見覺みおぼえがあります。これかららせにきます。」と、商家しやうか中僧ちうぞうさんらしいのが、馬士まごおぼ
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
立出で二三ちやうきたりけるにあとより申し/\と呼掛よびかける者有故振返ふりかへるに田舍ゐなかにて見覺みおぼえあるおたけと云し女なり此女は金屋かなや井筒屋ゐづつやへ出入なす織物屋おりものやの娘にて利兵衞が江戸へみせ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)