“其形”の読み方と例文
読み方割合
そのかたち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
敵は髪を長く垂れた十五六の少年で、手にはきらめく洋刃ないふのようなものを振翳ふりかざしていた。薄闇で其形そのかたちくも見えぬが、人に似て人らしく無い。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
およそ天よりかたちしてくだものあめゆきあられみぞれひようなり。つゆ地気ちき粒珠りふしゆするところしもは地気の凝結ぎようけつする所、冷気れいき強弱つよきよわきによりて其形そのかたちことにするのみ。
が、砂地すなぢ引上ひきあげてある難破船なんぱせんの、わづかに其形そのかたちとゞめてる、三十こくづみ見覺みおぼえのある、ふなばたにかゝつて、五寸釘ごすんくぎをヒヤ/\とつかんで、また身震みぶるひをした。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)