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其形
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そのかたち
ふりがな文庫
“
其形
(
そのかたち
)” の例文
敵は髪を長く垂れた十五六の少年で、手には
晃
(
きら
)
めく
洋刃
(
ないふ
)
のようなものを
振翳
(
ふりかざ
)
していた。薄闇で
其形
(
そのかたち
)
は
能
(
よ
)
くも見えぬが、人に似て人らしく無い。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
凡
(
およそ
)
天より
形
(
かたち
)
を
為
(
な
)
して
下
(
くだ
)
す
物
(
もの
)
○
雨
(
あめ
)
○
雪
(
ゆき
)
○
霰
(
あられ
)
○
霙
(
みぞれ
)
○
雹
(
ひよう
)
なり。
露
(
つゆ
)
は
地気
(
ちき
)
の
粒珠
(
りふしゆ
)
する
所
(
ところ
)
、
霜
(
しも
)
は地気の
凝結
(
ぎようけつ
)
する所、
冷気
(
れいき
)
の
強弱
(
つよきよわき
)
によりて
其形
(
そのかたち
)
を
異
(
こと
)
にするのみ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
手
(
て
)
が、
砂地
(
すなぢ
)
に
引上
(
ひきあ
)
げてある
難破船
(
なんぱせん
)
の、
纔
(
わづ
)
かに
其形
(
そのかたち
)
を
留
(
とゞ
)
めて
居
(
ゐ
)
る、三十
石
(
こく
)
積
(
づみ
)
と
見覺
(
みおぼ
)
えのある、
其
(
そ
)
の
舷
(
ふなばた
)
にかゝつて、
五寸釘
(
ごすんくぎ
)
をヒヤ/\と
掴
(
つか
)
んで、また
身震
(
みぶるひ
)
をした。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
三 高田の
大工
(
だいく
)
又兵衛と云ふ者、西山本に雇はれありしが、一夜急用ありて一人山道を還りしに、
岨路
(
そばみち
)
の引廻りたる処にて図らずも大人に
行逢
(
ゆきあ
)
ひたり。
其形
(
そのかたち
)
裸身にして、長は八尺ばかり、髪肩に垂れ。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
其形
(
そのかたち
)
の
斉
(
ひとし
)
からざるは、かの
冷際
(
れいさい
)
に於て雪となる時冷際の
気運
(
きうん
)
ひとしからざるゆゑ、雪の
形
(
かたち
)
気
(
き
)
に
応
(
おう
)
じて
同
(
おな
)
じからざる也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
更に人を
駭
(
おどろ
)
かしたのは、
彼
(
か
)
の山𤢖の最期であった。幾百年の昔から、口でこそ山𤢖と云うけれども、誰も
明白
(
あきらか
)
に
其形
(
そのかたち
)
を認め得た者は無かった。
然
(
しか
)
るに今や白昼に
其
(
そ
)
の怪しき形骸を
晒
(
さら
)
したのである。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
山半
(
やまのなかば
)
は
老樹
(
らうじゆ
)
条
(
えだ
)
をつらね
半
(
なかば
)
より上は
岩石
(
がんぜき
)
畳々
(
でふ/\
)
として
其形
(
そのかたち
)
竜躍
(
りようをどり
)
虎怒
(
とらいかる
)
がごとく
奇々怪々
(
きゝくわい/\
)
言
(
いふ
)
べからず。
麓
(
ふもと
)
の左右に
渓川
(
たにがは
)
あり
合
(
がつ
)
して
滝
(
たき
)
をなす、
絶景
(
ぜつけい
)
又
言
(
いふ
)
べからず。
旱
(
ひでり
)
の時此
滝壺
(
たきつぼ
)
に
雩
(
あまこひ
)
すればかならず
験
(
しるし
)
あり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
其
漢検準1級
部首:⼋
8画
形
常用漢字
小2
部首:⼺
7画
“其形”で始まる語句
其形状
其形容