)” の例文
そのれ地が、もらった嬢さんたちの結綿島田ゆいわたしまだにもかけられ、あたしたちの着物にもじゅばんの襟にもかけられた。帯にもなった。
「ひとのものでも自分のものでも、この野郎、それ本当の木綿ものなんだど。きょう日、スフの股引なんど、いしらに穿かせたら半日でらしちまァわ。」
(新字新仮名) / 犬田卯(著)
むねはわくわくと上氣じようきして、うでもけられぬもんきわにさりとも見過みすごしがたき難義なんぎをさま/″\の思案しあんつくして、格子かうしあいだよりれをものいはずいだせば
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
薄いやわらかげな裏の白い、桑のような形にれこみの大きい葉の出ているものがあった。
野道 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
独語ひとりごとを云いながら、腰をかけるものがないから、河岸かしに並んで居ります、蔵のさしかけの下で、横鼻緒をたって居りますと、ぴゅーと吹掛けて来る雪風ゆきかぜに、肌がれるばかり、ふるいあがるおりから
両の手の甲にひびがれていたことであろう。
春宵因縁談 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
頬をるやうな寒さが残つた。
れた靴下くつした縫つてゐる……
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
大丸では当時の町総代が京都までいって織らせた、蘭陵王の着用のれ地の価値を知っているので、それを造って飾った。
れ/\羽織はをりすそについてどろるは御存ごぞんいか、あれかさころがる、あれをたゝんでてかけてけばいにと一々もどかしうがゆくはおもへども、此處こゝれが御座ござんす
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あれを畳んで立てかけて置けばいにと一々もどかしう歯がゆくは思へども、此処にれが御座んす、此裂これでおすげなされと呼かくる事もせず、これも立尽して降雨袖にわびしきを
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此品これ、欣々女史の帯とおなじれだそうです。」
江木欣々女史 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)