蕎麥掻そばがき)” の例文
新字:蕎麦掻
われへ」卯平うへい蕎麥掻そばがきけてやつた。かれはさうしてさらあとの一ぱいきつしてその茶碗ちやわんんでんだ。藥罐やくわんかるくなつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その夕暮ゆふぐれであつたか、小六ころくまたさむ身體からだ外套マントくるんでつたが、八時過はちじすぎかへつてて、兄夫婦あにふうふまへで、たもとからしろ細長ほそながふくろして、さむいから蕎麥掻そばがきこしらえてはうとおもつて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
卯平うへい蕎麥粉そばこ大事だいじにして、勘次かんじ開墾かいこんあと藥罐やくわんわかしては蕎麥掻そばがきこしらへてたべた。ころかれげてた二びん醤油しやうゆはもうくなつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其晩そのばん何故なぜくれのうちにしきまさないかとふのが、蕎麥掻そばがき出來上できあがあひだ、三にん話題わだいになつた。御米およね方位はうゐでもわるいのだらうと臆測おくそくした。宗助そうすけつまつてがないからだらうとかんがへた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
なはくゝつたべつびんそこはう醤油しやうゆすこしあつた。卯平うへいはそれでもれをつけてやうや蕎麥掻そばがきあぢおぎなつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)