“そばがき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蕎麦掻71.4%
蕎麥掻28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
侍「拙者の枕元へ水などを持って来て、のどが渇いたら召上れと種々いろ/\手当をしてくれる、蕎麦掻そばがきこしらえて出したが、不味まずかったけれども、親切の志有難く旨く喰いました」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その頃僕は齲歯むしばに悩まされていて、内ではよく蕎麦掻そばがきを食っていた。そこで、御近所に蕎麦の看板があったから、蕎麦掻を御馳走になろうと云った。主人がこれは面白い御注文だと云って笑う。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
われへ」卯平うへい蕎麥掻そばがきけてやつた。かれはさうしてさらあとの一ぱいきつしてその茶碗ちやわんんでんだ。藥罐やくわんかるくなつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その夕暮ゆふぐれであつたか、小六ころくまたさむ身體からだ外套マントくるんでつたが、八時過はちじすぎかへつてて、兄夫婦あにふうふまへで、たもとからしろ細長ほそながふくろして、さむいから蕎麥掻そばがきこしらえてはうとおもつて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
卯平うへい蕎麥粉そばこ大事だいじにして、勘次かんじ開墾かいこんあと藥罐やくわんわかしては蕎麥掻そばがきこしらへてたべた。ころかれげてた二びん醤油しやうゆはもうくなつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其晩そのばん何故なぜくれのうちにしきまさないかとふのが、蕎麥掻そばがき出來上できあがあひだ、三にん話題わだいになつた。御米およね方位はうゐでもわるいのだらうと臆測おくそくした。宗助そうすけつまつてがないからだらうとかんがへた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)