蕎麦掻そばがき)” の例文
旧字:蕎麥掻
全体に食物は、油濃いものの外は、あまり註文ちゅうもんをおっしゃらないので、いつでしたか歯が痛むといって、蕎麦掻そばがきばかりを一カ月も続けられたのには皆あきれました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
小六はまた寒い身体からだ外套マントくるんで出て行ったが、八時過に帰って来て、兄夫婦の前で、たもとから白い細長い袋を出して、寒いから蕎麦掻そばがきこしらえて食おうと思って
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
侍「拙者の枕元へ水などを持って来て、のどが渇いたら召上れと種々いろ/\手当をしてくれる、蕎麦掻そばがきこしらえて出したが、不味まずかったけれども、親切の志有難く旨く喰いました」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その頃僕は齲歯むしばに悩まされていて、内ではよく蕎麦掻そばがきを食っていた。そこで、御近所に蕎麦の看板があったから、蕎麦掻を御馳走になろうと云った。主人がこれは面白い御注文だと云って笑う。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
尼「何んぞ上げましょうか、寺だからお肴も何も無いが、あったかいお粥でも拵えて雑炊のようなものを上げましょう、私は穀類はいけませんが蕎麦掻そばがきは喰べるから有りますよ」