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舒
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の
ふりがな文庫
“
舒
(
の
)” の例文
これより
三留野
(
みとの
)
驛へ三里。山
舒
(
の
)
び、水
緩
(
ゆるや
)
かに、鷄犬の聲
歴落
(
れきらく
)
として雲中に聞ゆ。人家或は
溪
(
けい
)
に臨み、或は崖に架し、或は山腹に
凭
(
よ
)
る。
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
苗のまだ
舒
(
の
)
びない花畑は、その間の小径も明かに、端から端まで目を遮るものがないので、もう暮近いにも係らず明い心持がする。
百花園
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
苦労の中にも
助
(
たすく
)
る神の結び
玉
(
たま
)
いし縁なれや嬉しき
情
(
なさけ
)
の
胤
(
たね
)
を宿して帯の祝い
芽出度
(
めでたく
)
舒
(
の
)
びし
眉間
(
みけん
)
に
忽
(
たちま
)
ち
皺
(
しわ
)
の
浪
(
なみ
)
立
(
たち
)
て騒がしき
鳥羽
(
とば
)
伏見
(
ふしみ
)
の戦争。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
私は心の
舒
(
の
)
びるのを感じた。同時に自説は曲げずにゐても、
矢張
(
やはり
)
文献に証拠のないのが、今までは多少寂しかつたのを知つた。(二月三日)
点心
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
佳き文章とは、「情
籠
(
こも
)
りて、
詞
(
ことば
)
舒
(
の
)
び、心のままの
誠
(
まこと
)
を歌い出でたる」態のものを指していう
也
(
なり
)
。情籠りて云々は上田敏、若きころの文章である。
もの思う葦:――当りまえのことを当りまえに語る。
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
一黒狗
耽耳
(
たんじ
)
白胸なるあり、塔前において左股を
舒
(
の
)
べ右脚を屈し、人の行道するを見ればすなわち起ちて行道し、人の持斎するを見ればまたすなわち持斎す。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
私は知人の訃報を得る度に感ずる痛ましさと寂しさとに打たれつゝ、また人生に對する
思索
(
しさく
)
を新たにして、ぼんやり其の葉書を卷いたり
舒
(
の
)
ばしたりしてゐた。
ごりがん
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
近頃にない
舒
(
の
)
びやかな心持になって門を出たら、
長閑
(
のどか
)
な小春の日影がもうかなり西に傾いていた。
雑記(Ⅰ)
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
まだ
盲目
(
めくら
)
にならない深雪が、露のひぬま……と書かれた扇を手文庫から出して人知れず愛着の思いを
舒
(
の
)
べているところに跫音がして、我にもあらず、その扇を小脇に
匿
(
かく
)
した
朝顔日記の深雪と淀君
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
枯腸は
文藻
(
ぶんそう
)
の乏しきを言う。習習は春風の和らぎ
舒
(
の
)
びるかたち。玉川子とは盧同自身をさす。
茶の本:04 茶の本
(新字新仮名)
/
岡倉天心
、
岡倉覚三
(著)
公主は白い腕を
舒
(
の
)
べ、
端
(
さき
)
の尖った
屣
(
くつ
)
をはいて、軽く燕の飛ぶように空を蹴って、雲の上まで
身
(
からだ
)
を飛ばしていたが、間もなくやめて侍女達に
扶
(
たす
)
けられて下におりた。侍女達は口ぐちに言った。
西湖主
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
四国ならびに中国方面の山林中に自生して樹林の一をなし直幹
聳立
(
しょうりつ
)
して多くの枝椏を
岐
(
わか
)
ち、葉に
先
(
さきだ
)
ちて帯白あるいは微紅色の五弁花を満開し、花後に細毛ある葉を
舒
(
の
)
べ小核果を結ぶのである。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
這い込んで、
舒
(
の
)
びたり、固まったり、入り乱れたり
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
母は身を曲げて、両手を
舒
(
の
)
べ
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
舒
(
の
)
びていざよふ雲の君
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
高く
舒
(
の
)
べたる
大空
(
おほそら
)
は
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
糸瓜
(
へちま
)
や
南瓜
(
かぼちゃ
)
の
舒
(
の
)
び放題に舒びた
蔓
(
つる
)
の先に咲く花が、一ツ一ツに小さくなり、その数もめっきり少くなるのが目につきはじめる。
虫の声
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
これより山
緩
(
ゆるや
)
かに水
舒
(
の
)
びて、福島町に至る間、また一ところの激湍をも見ず。路も次第に
下
(
くだ
)
り下りて、その
極
(
きは
)
まる處、遂に數百の
瓦甍
(
ぐわばう
)
を認む。
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
仏
竹園
(
ちくおん
)
で説法せし時、長老比丘衆中を仏の方向き、脚を
舒
(
の
)
べて睡るに反し、修摩那比丘はわずかに八歳ながら、端坐しいた。仏言う、説法の場で眠る奴は死後竜に生まれる。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
畑地ならば實際何處でも歩いて行けば行かれると思ふだけでも自由な
舒
(
の
)
びやかな氣がする。
写生紀行
(旧字旧仮名)
/
寺田寅彦
(著)
雷
(
いかずち
)
の神濃き雲を
舒
(
の
)
ぶるとき
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
それから半月あまりを過ぎて、
蓮
(
はす
)
の巻葉もすっかり
舒
(
の
)
び
拡
(
ひろ
)
がった五月の十六日、谷中の別園に再び林氏の
詩筵
(
しえん
)
が開かれた。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
寤
(
さ
)
めてまた僧となり、袈裟一枚大の地を求むるので承知すると、袈裟を
舒
(
の
)
ばせば格別大きくなる。かくて広い地面を得て、大工を招き大きな家を立てると、陥って池となり、竜その中に住む。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
鼻先と
頤
(
おとがい
)
のとがっているのが目に立つので、色の白い眼の大きい
頬
(
ほお
)
のこけた顔立は一層神経質らしく見えるのに、長く
舒
(
の
)
ばした髪をわざと無造作に
後
(
うしろ
)
に掻き上げている様子。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“舒(徐(春秋))”の解説
徐(じょ、紀元前20世紀頃 - 紀元前512年)は、夏代から春秋時代にかけて中国に存在した東夷諸国の一つ。徐戎や徐夷、徐方、舒とも称される。
(出典:Wikipedia)
舒
漢検1級
部首:⾆
12画
“舒”を含む語句
董仲舒
緩舒
哥舒翰
舒明
巻舒
巻々舒々
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竜舒浄土文
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寛舒
舒川県
舒州
舒徐
安舒
舒林寺
舒疾
便安舒暢