與吉よきち)” の例文
新字:与吉
しなには與吉よきち惡戯いたづらをしたり、おつぎがいたいといつてゆびくはへてせれば與吉よきち自分じぶんくちあてるのがえるやうである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
つか/\と行懸ゆきかけた與吉よきちは、これをくと、あまり自分じぶん素氣そつけなかつたのにがついたか、小戻こもどりして眞顏まがほで、ひとしばだたいて
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
三「甚藏、是はおれうちの鎌だ、此の間與吉よきちに持たしてった、是は與吉の鎌だ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
自分じぶん蒲團ふとんそばまでさそされたやうに、雨戸あまど閾際しきゐぎはまで與吉よきちいてはたふしてたり、くすぐつてたりしてさわがした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
與吉よきち眞面目まじめなのに釣込つりこまれて、わらふことの出來できなかつたおしなは、到頭たうとうほねのある豆腐とうふ注文ちうもんわらはずにました、そして眞顏まがほたづねた。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
イヤハヤもういけませんがね、ちょっくらおひまを戴きに與吉よきちどんを頼んで遣ったが、まだけえらねえが、不断とは違い正月はお忙しいから、忰にお暇を下されば好いが、下さるめえとは思うが
とき勘次かんじもおしなはら大切たいせつにした。をんなが十三といふともうやくつので、與吉よきちそだてながら夫婦ふうふは十ぶんはたらくことが出來できた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
澁色しぶいろはしわたると、きしからいたわたしたふねがある、いたわたつて、とまなか出入でいりをするので、このふね與吉よきち住居すまひ
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)