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つな
ふりがな文庫
“
維
(
つな
)” の例文
銀の鎖を付けた四疋の犬を牽き来り別室に
維
(
つな
)
ぎ、去って金の皿四つに好肉を盛ったのを持ち来り、毎犬一皿を供えて出で行った。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
この屍の肉で露命を
維
(
つな
)
いだ(Bellum Tartaricum{Semedo; History of China}p. 270)
支那人間に於ける食人肉の風習
(旧字旧仮名)
/
桑原隲蔵
(著)
十四日の
円
(
まる
)
い月影が天幕にさす頃は、片貝谷は一面に光の薄絹に包まれて、現と夢とを
維
(
つな
)
ぐ美しい世界と化してしまった。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
けれ共王と貴族と富豪との
傲慢
(
がうまん
)
と罪悪とに媚びて、
縷
(
いと
)
の如き生命を
維
(
つな
)
いでる教会は
戦慄
(
せんりつ
)
します、決して之を容赦致しませぬ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
それが自分の縁に
維
(
つな
)
がると云ふばつかりでひよつとした憂目に遇ふと云ふことは、自分の忍び得ない処である。兄を助けるには何事も只犠牲になる。
逆徒
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
▼ もっと見る
そんな名剣も貧乏神だけは
何
(
ど
)
うにも出来ないものと見えて、犬養氏は最近和田
維
(
つな
)
四
郎
(
らう
)
氏の
取持
(
とりもち
)
で、所蔵の刀剣全部を根こそぎ
久原
(
くはら
)
家へ売渡す事に
定
(
き
)
めた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
然
(
そ
)
ういう風であるから、肉体も精神も
漸次
(
しだい
)
に退化して、殆ど猿のような野蛮人になって
了
(
しま
)
ったが、
兎
(
と
)
にかくに今日まで
其
(
その
)
血統を
維
(
つな
)
いでいられたのである。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
借金も少しだと困るが身分不相当に沢山になると却つて借金のお蔭で生命が
維
(
つな
)
げるやうなもんで、虚誕も
少
(
ちつ
)
とだと躓くが此位
甲羅
(
かふら
)
を
経
(
へ
)
ると世渡りが出来ると見える子。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
往反ノ者
此
(
こ
)
ノ路ニ
率
(
したが
)
ヒ
由
(
よ
)
ラザルハナシ矣、
其
(
そ
)
ノ俗天下ニ女色ヲ
衒
(
てら
)
ヒ売ル者、老少提結シ、
邑里
(
ゆうり
)
相望ミ、舟ヲ門前に
維
(
つな
)
ギ、客ヲ河中ニ
遅
(
ま
)
チ、
少
(
わか
)
キ者ハ脂粉
謌咲
(
かしょう
)
シテ以テ人心ヲ
蕩
(
まど
)
ハシ
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
『
何分
(
なにぶん
)
にも
年若
(
としわか
)
き
娘
(
むすめ
)
のこととて
恥
(
はず
)
かしさが
先立
(
さきだ
)
ち、
格別
(
かくべつ
)
のお
取持
(
とりもち
)
もできなかった……。』
姫
(
ひめ
)
はあっさりと、ただそれっきりしかお
口
(
くち
)
には
出
(
だ
)
されませんでしたが、
何
(
どう
)
やらお
二人
(
ふたり
)
の
間
(
あいだ
)
を
維
(
つな
)
いだ
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
猴を
馬厩
(
うまや
)
に
維
(
つな
)
ぐ事については柳田君の『山島民譚集』に詳説あり、重複を
厭
(
いと
)
いここにはかの書に見えぬ事のみなるべく出そう。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「私も只お側に居ると云ふ丈け、
生命
(
いのち
)
を
維
(
つな
)
がさせて下さると云ふ丈け、なんにも、なあんにもないんですわねえ。」
計画
(旧字旧仮名)
/
平出修
(著)
左手は絶えずガレが続いて、か細い山稜は偃松を頼みの綱にひびだらけの残骸を
維
(
つな
)
ぎ留めている。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
「私も只お
側
(
そば
)
に居ると云ふ丈け、
生命
(
いのち
)
を
維
(
つな
)
がせて下さると云ふ丈け、なんにも、なあんにもないんですわねえ。」
計画
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
私の目と高い山とを
維
(
つな
)
ぐ糸の上を渡り鳥の群れが往ったり来たりする。時には一羽の鷹が
不図
(
ふと
)
私の魂をのせて紫紺色の透明な肌を持った山の方へ矢のように飛んで行くことなどもあった。
奥秩父の山旅日記
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
駝象の大行列中に雄猴を
維
(
つな
)
いで
輿
(
こし
)
に載せ、頭に冠を戴かせ、輿側に人ありてこれを
扇
(
あお
)
ぎ、
炬火
(
きょか
)
晶燈見る人の眼を
眩
(
くら
)
ませ、花火を掲げ、
嬋娟
(
せんけん
)
たる妓女インドにありたけの音曲を尽し、舞踊、楽歌、放飲
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
生きて行くことが出来る丈の手当すら与へないで、仕事は一人前を
吩付
(
いひつ
)
けると云ふのは、隙さへあつたら
盗
(
ぬすみ
)
でも
騙
(
かたり
)
でもして命を
維
(
つな
)
げと云ふにひとしいとも云ひ得る。
公判
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
維
常用漢字
中学
部首:⽷
14画
“維”を含む語句
維納
御維新
繊維
維也納
維持
御維新前
維新
維摩経
維廉
維駒
維時
地維
纎維
繊維質
維石厳々
維那
現状維持
維盛卿
維新前
維盛
...