筋道すじみち)” の例文
もうして、このはなしはぶいてしまえばわたくし幽界生活ゆうかいせいかつ記録きろくおおきなあなくことになって筋道すじみちたなくなるおそれがございます。
「いや、それはあまりに独断どくだんすぎる筋道すじみちだと思う」私は最初のうちは彼の鋭い探偵眼に酔わされていたような気持だったが、話をいているうちに
地獄街道 (新字新仮名) / 海野十三(著)
兎に角筋道すじみち丈け話してしまおう。おれはその為にわざわざ出かけて来たんだから。君は何だかおれの精神状態をあやぶんでいる様子だが、その点は心配しなくてもいい。
疑惑 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
谷中やなかから上野うえのける、寛永寺かんえいじ土塀どべい沿った一筋道すじみち光琳こうりんのようなさくら若葉わかばが、みちかれたまんなかたたずんだ、若旦那わかだんな徳太郎とくたろうとおせんのあにの千きちとは、おりからの夕陽ゆうひびて
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
金蔵が、この鍛冶倉の乾分こぶんとなったのにも相当の筋道すじみちがあるけれどそれは省く。
横浜で露西亜ロシア人の斬られたことなどは、ただその事変に驚くばかりで自分の身には何とも思わざりしに、その後間もなく外人嫌いの精神はにわかに進歩して殺人ひとごろしの法が綿密になり、筋道すじみちわか
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
何が何やら、あなた達の言う事は、まるで筋道すじみちがとおっていません。
新ハムレット (新字新仮名) / 太宰治(著)
恩愛と、生死を賭けた芸術心との、二筋道すじみち……。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
なるるべくはなし筋道すじみちとおるよう、これからすべてを一とまとめにして、わたくしなが年月としつきあいだにやっとまとめげた、守護霊しゅごれいかんするおはなし順序じゅんじょよく申上もうしあげてたいとぞんじます。
自分の恋の打開うちあけ話を、書物にして衆人の目にさらすというのは、小説家でない私には、妙に恥しく、苦痛でさえあるのだが、どう考えて見ても、それを書かないでは、物語の筋道すじみちを失うので
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ドン助教授の話は、ちゃんと筋道すじみちが立っている。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
以上いじょうのべたところで一ととおはなし筋道すじみちだけはおわかりになったこととぞんじます。