突落つきおと)” の例文
の継母の奥様が背後うしろから不意にの若様を突落つきおとしたに相違ないと云う評判で、一時は随分面倒でしたが、何をいうにも証拠のない事
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
わたしはくらやみたに突落つきおとされたやうにあたゝかいかげといふをこと御座ござりませぬ、はじめのうちなに串談じようだんわざとらしく邪慳じやけんあそばすのとおもふてりましたけれど
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
また石川藤左衞門さまを日暮ヶ岡で鉄砲で打殺させた手筈をしたのも皆んな己、それから鴻の台の鐘ヶ淵から小左衞門さまを突落つきおとさせた手引もおれがしたのだから
よきぞと竊に目配めくばせすれば赤川大膳藤井左京つゝと寄て次助佐助が後に立寄たちより突落つきおとせばあはれや兩人はすうぢやう谷底たにそこ眞逆樣まつさかさまに落入て微塵みぢんに碎けて死失たりまた常樂院は五人の者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
とうっかり水を見る油断を見済みすまし、うしろから丈助が勇助の腰をドント打って川の中へ突落つきおとす。勇助は
差遣さしつかはすべし山中に地獄谷ぢごくだにと云處あり此所ここにて兩人を谷底たにそこ突落つきおとして殺し給へ必ず仕損しそんずる事あるまじ其留守るすには老僧らうそう天一を片付申すべし年はよつたれどもまだ一人や二人の者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
中川へ網船あみぶねに誘い出し、船の上から突落つきおとして殺そうという事をわたくしが立聞しましたゆえ、源次郎お國をひそかに殺し、自分は割腹しても何うか恩ある御主人を助けたいと思い
母様かゝさま継母まゝはゝで、いじめられて居られなくって尋ねて来ただが、ちっとは小遣こづかいも持って居ただが、泥坊が附いて来て突落つきおとして逃げたと云う訳で、三藏どんは親切な人で、引揚げて届ける所へ届けて
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わが罪を隠そうが為に、土手の甚藏をあざむいて根本の聖天山の谷へ突落つきおとし、上から大石たいせきを突転がしましたから、もう甚藏の助かる気遣きづかいは無いと安心して、二人差向いで、堤下どてした新家しんやで一口飲んで
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
源次郎に殿様を川の中へ突落つきおとさせ、殺してしまえば、源次郎は飯島のうちの養子になるまでの工夫は付いたものゝ、此の密談を孝助に立聞たちぎかれましたから、どうがな工夫をして孝助にいとまを出すか
と云うとトンと縁から下へ突落つきおとされるとすぐにバラ/\と来て縄を掛ける。
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
殿様がいらっしゃっては邪魔になるゆえ、来月の四日中川にて殿様を釣舟から突落つきおとして殺してしまい、体能ていよくおかしらに届けをしてしまい、源次郎を養子に直し、お國と末長く楽しもうとの悪工わるだく
これがあごきずは何うした、なぜ縁側から突落つきおとした、お女郎じょうろだアから子を持ったことがえから、子の可愛い事は知りますめえが、あんたに子が出来て御覧なさえ、一つでもはたくことは出来ねえよ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)