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破落戸
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ごろつき
ふりがな文庫
“
破落戸
(
ごろつき
)” の例文
破落戸
(
ごろつき
)
仲間に遣る物を遣らねば此納まりむづかしく、我れは詮方なけれどお名前に申わけなしなどゝ、つまりは
此金
(
これ
)
の欲しと聞えぬ。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ここいらは
廓外
(
くるわそと
)
で、お物見下のような処だから、いや
遣手
(
やりて
)
だわ、
新造
(
しんぞ
)
だわ、その妹だわ、
破落戸
(
ごろつき
)
の兄貴だわ、
口入宿
(
くちいれやど
)
だわ、慶庵だわ
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
旅芸人に
因縁
(
いんねん
)
をつけたがる雲助や
破落戸
(
ごろつき
)
の類が、
強
(
こわ
)
い
面
(
かお
)
をしてやって来た時にムクがいて、じっとその面を見ながら傍へ寄って行くと
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
……
畜生
(
ちくしゃう
)
、
兩方
(
りゃうはう
)
の
奴等
(
やつら
)
め!……うぬ!
犬
(
いぬ
)
、
鼠
(
ねずみ
)
、
鼷鼠
(
はつかねずみ
)
、
猫股
(
ねこまた
)
、
人間
(
にんげん
)
を
引掻
(
ひっか
)
いて
殺
(
ころ
)
しをる!
一二三
(
ひふうみい
)
で
劍
(
けん
)
を
使
(
つか
)
ふ
駄法螺吹家
(
だぼらふき
)
め!
破落戸
(
ごろつき
)
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
所謂
(
いわゆ
)
る遊侠の世界(
即
(
すなわ
)
ち親分と称せられる人々から、
破落戸
(
ごろつき
)
と称せられる人々)——あらゆる方面に知己があり友人があった。
名古屋の小酒井不木氏
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
僕は、チチコフの買った農奴が大泥坊で、しようのない飲んだくれで、手のつけられない
破落戸
(
ごろつき
)
でなかったら、この首を賭けてもいいねえ。
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
ツァウォツキイは今一人の
破落戸
(
ごろつき
)
とヘルミイネンウェヒの裏の
溝端
(
どぶばた
)
で
骨牌
(
かるた
)
をしていた。そのうち暗くなって骨牌が見分けられないようになった。
破落戸の昇天
(新字新仮名)
/
フェレンツ・モルナール
(著)
「己は鶏三羽と
山羊
(
やぎ
)
一疋遣ったに己の児を捉えくさった、この上まだ何ぞ欲しいか
破落戸
(
ごろつき
)
め」と
喚
(
わめ
)
きおったと(バルフォール『印度事彙』三)。
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
或は築港事業に藉口して
破落戸
(
ごろつき
)
を豢養し、或は学校統一を名儀として、市費を貪婪の手に糜せんとす、彼等姦徒醜類の汚行、一々之を記するにたへず。
自由の使徒・島田三郎
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
動物にたいする
憐愍
(
れんびん
)
の欠乏は勿論、仕えの女たちへのしばしばの乱行もそうなら、
碗
(
わん
)
をもって酒食らうことも殆ど町方
破落戸
(
ごろつき
)
とえらぶところがなかった。
野に臥す者
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
また百姓はこういう目をしなければいけない、
破落戸
(
ごろつき
)
はこういう手つき、職人はここへこう手を置くものだ、それから侍は肩をいからして手をこう置くし
初看板
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
相手がたとえ
破落戸
(
ごろつき
)
にもせよ、不義があったと申す以上、はきとした申しわけが立たねばならぬ、おちついて、よく思案したうえ、
証
(
あかし
)
があれば立ててみせよ
明暗嫁問答
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼は
破落戸
(
ごろつき
)
のオブリアンが、マーガレットに何か合図でもしはしないかと時々刻々そればかり気にしていた。
秘密の庭
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
そうなって参ると猶更に
怠
(
なまけ
)
るようになって世の中の稼いで暮すと申す
活業
(
なりわい
)
に逆らってゆくもので、到頭
破落戸
(
ごろつき
)
仲間へおち、良くない悪法ばかりやっております。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
簾藤
(
すどう
)
へ転じてからこの気風が
全
(
まる
)
で変ってしまった。
服装
(
なり
)
も書生風よりはむしろ
破落戸
(
ごろつき
)
——というと語弊があるが、同じ書生風でも堕落書生というような気味合があった。
斎藤緑雨
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
頸を締めるといふのは、人間の
呼吸
(
いき
)
の根を止めることだ。殺人未遂だ。おれは、あいつから、殺される覚えはない。これでも親友だ。畜生つ!
破落戸
(
ごろつき
)
! 暴力団!
鬼熊
(
おにくま
)
!
長閑なる反目
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
訪ねてくる友人連がまた、みんな
破落戸
(
ごろつき
)
みたいな者ばかりだった。そして、やれ洋食だの
鶏
(
とり
)
だの牛肉だのと、さんざん贅沢なことを云っといて、月末には五円しか金を払わなかった。
変な男
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
文身
(
ほりもの
)
だらけの町の
破落戸
(
ごろつき
)
と緒方の書生ばかりが得意の
定客
(
じょうきゃく
)
だ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
それに奥様のお兄様だとかいう
破落戸
(
ごろつき
)
のような
風儀
(
ふう
)
の悪い、弁太とかいう男が出入りをしては、ずっと以前から、奥様の手から、いろいろの無心を
生死卍巴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この罰あたりめが! 顔でも洗つて出直して来やあがれ! しやうのない
破落戸
(
ごろつき
)
野郎め!
汝
(
てめえ
)
のお袋を見たことはないが、どうせ碌でなしに違ひない。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:03 ソロチンツイの定期市
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
それを見込みて石之助、今宵を期限の借金が御座る、人の受けに立ちて判を
為
(
し
)
たるもあれば、花見のむしろに狂風一陣、
破落戸
(
ごろつき
)
仲間に遣る物を遣らねばこの納まりむづかしく
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そのうち親方もしくじり、
破落戸
(
ごろつき
)
となったから、根岸の寮へ参るどころか足ぶみもならない。もう斯うなっては
手蔓
(
てづる
)
が切れて顔を拝むことも出来ませんので、
拠
(
よんどこ
)
ろなく諦めて仕舞いました。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
村方
(
むらかた
)
の方から
驀然
(
まっしぐら
)
にこの古市の町へ走り込んだムクのあとを追いかけて来るのが何十人という人、
得物
(
えもの
)
を持ち、石や瓦を抱えている。前には役人連、そのあとから
番太
(
ばんた
)
、
破落戸
(
ごろつき
)
、弥次馬の
類
(
たぐい
)
が続く。
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
民弥の歓喜に引きかえて、今は三十郎は絶体絶命、見れば非人も三人の
破落戸
(
ごろつき
)
も、いつの間に逃げたか姿はなかった。
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
あれだよ、この人には、ただもう、呑助か
破落戸
(
ごろつき
)
でさへありやあ性に合ふんだからね。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:03 ソロチンツイの定期市
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「ご両所であったか、ご助勢感謝! こやつらは悪漢で
破落戸
(
ごろつき
)
でござる! 切って切って切りまくりくだされ!」
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その他いろんな街道筋の
破落戸
(
ごろつき
)
どものためにさんざん悩まされた挙句、やっとのことで旅人の眼に、自分を出迎えにこちらへ近寄って来るような、懐かしい我が家の灯影がうつりだす——と
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
得物得物を振りかざしてこちらへ走って来るではないか!
香具師
(
やし
)
、
博徒
(
ばくと
)
、遊芸人、
破落戸
(
ごろつき
)
たちの群れであった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「猪之助? おお猪之助が。……あの
破落戸
(
ごろつき
)
が! 執念深い! ……兄の悪口を云っていたであろうな」
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
民弥は非人や
破落戸
(
ごろつき
)
に囲まれ、棒や竹キレで打ってかかられ、進退きわまり仰天したが
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と、そこにはずっと昼間から、三人ほどの
破落戸
(
ごろつき
)
らしい、風の悪い男が三人いて、街道ごしの吉野屋の門口へ、絶えず視線を送っていたが、三十郎の姿を見ると、一斉にヒョコリと辞儀をした。
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
井戸ではなくて間道だったのさ。こいつ面白いと思ったので梯子を伝わって下りたものさ。すると底に女がいた。それから五人の男がいた。六部と
破落戸
(
ごろつき
)
と
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
と、
武士
(
さむらい
)
と坊主とがいたってわけだ。
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
破
常用漢字
小5
部首:⽯
10画
落
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
戸
常用漢字
小2
部首:⼾
4画
“破落戸”で始まる語句
破落戸漢
破落戸風
破落戸仲間