目通めどほ)” の例文
はツ、はじめましてお目通めどほりをつかまつります。へえ、今度このたびはまた格別かくべつ御註文ごちうもんおほせつけられまして、難有ありがた仕合しあはせにござります。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ところ或時あるときの事でシヽリーのうちで、だいばん学者がくしやといふ、シロクシナスといふお精霊様しやうりやうさま茄子なすのやうな人がまゐりまして、わうにお目通めどほりを願ひますると
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
横着者わうちやくものだなとは思つたが、役馴やくなれた堀は、公儀こうぎのお役に立つ返忠かへりちゆうのものを周章しうしやうの間にも非難しようとはしない。家老に言ひ付けて、少年二人を目通めどほりへ出させた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
なれどもおいやならばおいやにて、むしろ斷然さつぱり目通めどほりもいややなれば此處こヽねかし、とでも發言ありて、いよ/\るまじきことらば其上そのうへ覺悟かくごもあり、くまでのおもなんとしてもゆるはずなけれど
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ふに中村市之丞取次とりつぎとして出來れば次右衞門申やう町奉行まちぶぎやう大岡越前守使者ししや平石次右衞門天一坊樣御重役ぢうやく山内伊賀亮樣に御目通めどほり致し申上度儀御座候此段御取次下さるべしと有に市之丞此旨このむね伊賀亮へ申つうじけるに伊賀亮熟々つら/\思案しあんするに奉行越前病氣びやうき披露ひろうし自分に紀州表へ調しらべに參りしに相違さうゐなし然ばゆき三日半歸り三日半調しらべに三日かゝるべし越前病氣引籠びやうきひきこもりより今日は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いやうでない、まアつかはすから裸体はだかになれ、これ稽古けいこじや、なんでも事は度々たび/\かずかけんければいかぬからの。登「しか御前ごぜんのお目通めどほりで裸体はだかになるは恐入おそれいりますことで。 ...
華族のお医者 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)