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しらちゃ
ふりがな文庫
“
白茶
(
しらちゃ
)” の例文
その右を少しだらだらと降りたところが
新
(
あらた
)
に土を掘返したごとく
白茶
(
しらちゃ
)
けて見える。不思議な事にはところどころが黒ずんで色が変っている。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
とどの顔も
白茶
(
しらちゃ
)
けた、影の薄い、
衣服前垂
(
きものまえだれ
)
の
汚目
(
よごれめ
)
ばかり火影に目立って、
煤
(
すす
)
びた羅漢の、トボンとした、寂しい、濁った形が
溝端
(
みぞばた
)
にばらばらと残る。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
紺
(
こん
)
ちりめんへ雨雲を
浅黄
(
あさぎ
)
と
淡鼠
(
ねずみ
)
で出して、稲妻を白く抜いた
単
(
ひとえ
)
に、
白茶
(
しらちゃ
)
の
唐織
(
からおり
)
を
甲斐
(
かい
)
の
口
(
くち
)
にキュッと締めて、
単衣
(
ひとえ
)
には
水色
(
みずいろ
)
太白
(
たいはく
)
の糸で袖口の下をブツブツかがり
旧聞日本橋:03 蕎麦屋の利久
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
岩とも泥とも
見当
(
けんとう
)
のつかぬ、灰色をなすった
断崖
(
だんがい
)
は高だかと曇天に聳えている。そのまた断崖のてっぺんは草とも木とも見当のつかぬ、
白茶
(
しらちゃ
)
けた緑を煙らせている。
十円札
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そこには脂ぶとりにふとった水へびが、くねくねといやらしい
白茶
(
しらちゃ
)
けた腹をみせていました。この沼のまんなかに、難船した人たちの白骨でできた家がありました。
人魚のひいさま
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
なんとまた巨大な通風筒の
耳孔
(
みみあな
)
だろう。新鮮な藍と
白茶
(
しらちゃ
)
との群立だ。すばらしい空気の林。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
田は黄色から
白茶
(
しらちゃ
)
になって行く。此処其処の雑木林や村々の落葉木が、最後の
栄
(
さかえ
)
を示して黄に
褐
(
かち
)
に紅に照り渡る。緑の葉の中に、
柚子
(
ゆず
)
が金の珠を掛ける。光明は
空
(
そら
)
から
降
(
ふ
)
り、地からも
湧
(
わ
)
いて来る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
灰色に
鬱々
(
うつうつ
)
とした雲は、
覆
(
おお
)
いかぶさるように空を
罩
(
こ
)
め、細い
白茶
(
しらちゃ
)
けた
路
(
みち
)
はひょろひょろと足元を抜けて、
彼方
(
かなた
)
の
骸骨
(
がいこつ
)
のような冬の森に消えあたりには、名も知らぬ雑草が、重なりあって折れ
朽
(
くち
)
ていた。
自殺
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
白茶
(
しらちゃ
)
、
御納戸茶
(
おなんどちゃ
)
、
黄柄茶
(
きがらちゃ
)
、
燻茶
(
ふすべちゃ
)
、
焦茶
(
こげちゃ
)
、
媚茶
(
こびちゃ
)
、
千歳茶
(
ちとせちゃ
)
などがあり、色をもつ対象の
側
(
がわ
)
から名附けたものには、
鶯茶
(
うぐいすちゃ
)
、
鶸茶
(
ひわちゃ
)
、
鳶色
(
とびいろ
)
、
煤竹色
(
すすだけいろ
)
、銀煤色、栗色、栗梅、栗皮茶、
丁子茶
(
ちょうじちゃ
)
、
素海松茶
(
すみるちゃ
)
、
藍
(
あい
)
海松茶
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
それはどこかの庭を
描
(
えが
)
いた六号ばかりの
小品
(
しょうひん
)
だった。
白茶
(
しらちゃ
)
けた
苔
(
こけ
)
に
掩
(
おお
)
われた木々と
木末
(
こずえ
)
に咲いた藤の花と木々の間に
仄
(
ほの
)
めいた池と、——画面にはそのほかに何もなかった。
春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
高い
欅
(
けやき
)
が
白茶
(
しらちゃ
)
けた幹を路の左右に並べて、彼らを送り迎えるごとくに細い枝を揺り動かした。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
デカとピンとチョンが、
白茶
(
しらちゃ
)
のフラシ
天
(
てん
)
の
敷物
(
しきもの
)
を敷きつめた様な枯れて
乾
(
かわ
)
いた
芝生
(
しばふ
)
に
悠々
(
ゆうゆう
)
と
寝
(
ね
)
そべり、満身に日を
浴
(
あ
)
びながら、遊んで居る。過去は知らず、将来は知らず、現在の彼等は
幸福
(
こうふく
)
である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
白茶
(
しらちゃ
)
である。黒である。
濃鼠
(
こいねずみ
)
である。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
「どうだね」と折の
蓋
(
ふた
)
を取ると白い飯粒が裏へ着いてくる。なかには
長芋
(
ながいも
)
の
白茶
(
しらちゃ
)
に寝転んでいる
傍
(
かたわ
)
らに、
一片
(
ひときれ
)
の玉子焼が黄色く
圧
(
お
)
し
潰
(
つぶ
)
されようとして、苦し紛れに首だけ飯の境に突き込んでいる。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
日曜だが、来客もなくて
静
(
しずか
)
なことだ。主と妻と女児と、日あたりの
好
(
い
)
い
母屋
(
おもや
)
の
南縁
(
なんえん
)
で、日なたぼっこをして遊ぶ。
白茶
(
しらちゃ
)
天鵞絨
(
びろうど
)
の様に光る
芝生
(
しばふ
)
では、犬のデカとピンと其子のタロウ、カメが遊んで居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
“白茶”の解説
白茶(はくちゃ、しろちゃ、パイチャ)は、主に中国の福建省や湖南省で生産されている中国茶。製法(発酵度)による中国茶の分類(六大茶類)の一つである。弱発酵茶。
(出典:Wikipedia)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
茶
常用漢字
小2
部首:⾋
9画
“白茶”で始まる語句
白茶地
白茶気
白茶色
白茶金
白茶錦
白茶七糸
白茶苧袴
白茶地亀甲形古錦襴