白耳義ベルギー)” の例文
総ての事を——白耳義ベルギーの孤児に何か仕て上げようと思い付いたのも、その為に会に入り、夕刊を売るのも、皆自分がよい事だと思い
私の見た米国の少年 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
いかに戦争だとて人と生れたからには此の度独逸ドイツ人が白耳義ベルギーに於てなしたような罪悪を敢てし得るものではないと思っていたのだ。
花火 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
欧洲おうしゅうの戦争は驚天動地の発展を遂げて、五月には独軍が、和蘭陀オランダ白耳義ベルギー、ルクセンブルグ等に進撃してダンケルクの悲劇を生み
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
芸術も仏蘭西や白耳義ベルギーの名高い大寺の建物のように、国家と国家の狂暴な戦争行為のために凌辱の憂目うきめを見る外はありません。
三面一体の生活へ (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
天地悠久と雲が流れて、白耳義ベルギーの野づらはうらうらと燃えている。ここにも「すっかり当時を心得」たのが網を張っていて
踊る地平線:04 虹を渡る日 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
諸君も御承知のとおり、領西阿弗利加アフリカアンゴラと白耳義ベルギー領コンゴーとは、年中国境紛争の絶え間もない植民地であった。
令嬢エミーラの日記 (新字新仮名) / 橘外男(著)
滋子しげこは夫の克彦かつひこ白耳義ベルギーにいたが、十二月もおしつまった二十九日の朝、アスアサ一〇ジパリニツクというやすの電報を受取ってびっくりした。
ユモレスク (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
白耳義ベルギーの首都ブラッセルから独逸ドイツ国境の方へ半日ほどドライヴしますと世界大戦当時最も激戦を極めた地方へ出ます。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
訳者かつて十年の昔、白耳義ベルギー文学を紹介し、やや後れて、仏蘭西詩壇の新声、特にヴェルレエヌ、ヴェルハアレン、ロオデンバッハ、マラルメの事を説きし時
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
例えば第一回は白耳義ベルギー、第二回は和蘭オランダ、第三回は智利チリ、第四回はキューバ、昨年の第五回は瑞西スイッツルというがごとし。
あの勢いを真正面からこの山へ引受けてしまった日には、独逸軍ドイツぐん白耳義ベルギーに於けるように、損害と犠牲のほどは目も当てられないことはよくわかっている。
A そう言えばあたし、あの方がいつか人形を作って、白耳義ベルギーの少女達へお贈りになった話を聞いたわ。
大きな手 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
しばらくすると、シイカは想いだしたように、卓子テーブルの上の紙包みをほどいた。その中から、美しい白耳義ベルギー産の切子硝子カットグラスの菓子鉢を取りだした。それを高く捧げてみた。
(新字新仮名) / 池谷信三郎(著)
「アルフォンス・ド・ステルニイ氏は十一月にブルクセルに来て、自ら新曲悪魔の合奏を指揮すべし」と白耳義ベルギー独立新聞の紙上に出でしとき、府民は目をそばだてたり。
女の決闘 (新字新仮名) / 太宰治(著)
ところが、十一月の末頃までには戻って来るということであった巴里パリーへの出品が、なかなか来ない。聞けば巴里を終った後で、白耳義ベルギーとやらでも展覧会を開いたのだとか。
何だか標準もつか無い夢だなと思つたが、夢の事から瑞西スイツル白耳義ベルギーは中立国だから、戦争が嫌ひな人民は瑞西と白耳義とへ帰化すれば善いのだ。早く帰化権を得た方が善い。
それを旗幟きしにした作家もかなりに出た中でも、メイテルリンクは其チヤンピオンのやうな形の歓迎を受た。白耳義ベルギーの若い作家の群の中には、ロオデンバハなどゝいふ作家もゐる。
小説新論 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
マドリッドに生れて白耳義ベルギーで成功した人で、カルヴェ夫人は決して巴里パリっ子ではないが、その晩年はニューヨークとパリで活躍し、一般に巴里パリっ児のように思われていたものだ。
欧州にて和蘭オランダ白耳義ベルギーのごとき小国が、仏独の間に介在かいざいして小政府を維持するよりも、大国に合併がっぺいするこそ安楽あんらくなるべけれども、なおその独立をはりて動かざるは小国の瘠我慢にして
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
白耳義ベルギーのマルビキユーリ、銷麗せうれいの文才を抱いてしかも一家の生計をささふるあたはず、ひとり片田舎に隠れて其驚異すべき処女作小説を脱稿するや、之を都に残せるその妻に送らむがために
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
白耳義ベルギーのサルトン博士が科学史専門の雑誌『イジス』を創刊した時にも、同博士からの依頼によって多少の関係を結ぶこととなり、同雑誌第二巻へ日本の行列式論のことを紹介したのは
数学史の研究に就きて (新字新仮名) / 三上義夫(著)
更にその次位には白耳義ベルギーあり、和蘭オランダあり、米は中頃なかごろ六国借款から脱盟したが、かも支那に対して債権国たるは同じい。それ故まず大なるものと言えば、やはり最初数えた六ヵ国である。
三たび東方の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
ここに大正三年独逸は仏国との開戦を決意するや否や、白耳義ベルギーの永久局外中立を保障する条約の規定を無視して咄嗟の間に白耳義国内に侵入し、それより第一次世界大戦の幕は明けたのでありますが
新憲法に関する演説草稿 (新字新仮名) / 幣原喜重郎(著)
白耳義車行(白耳義ベルギー車行)
南半球五万哩 (新字新仮名) / 井上円了(著)
私は決して、皆さんが停車場の広場で、白耳義ベルギーの孤児を助けて遣りましょう、と賑やかに上手に喋って下すっても満足しませんでしょう。
私の見た米国の少年 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
洋行中仏蘭西フランスのフレデリック・ミストラル、白耳義ベルギーのジョルヂ・エックー等の著作をよんで郷土芸術の意義ある事を教えられていたので
正宗谷崎両氏の批評に答う (新字新仮名) / 永井荷風(著)
日本の代表は巴里パリー駐在の石井菊次郎いしいきくじろう大使で、大使に差支さしつかえある場合、白耳義ベルギー安達峰一郎あだちみねいちろう大使が代って出席する。
滋子はそのとき夫の克彦と白耳義ベルギーにいたが、十二月もおしつまった二十九日の昼ごろ、アスアサ一〇ジ パリニツクという安の電報を受取ってびっくりした。
野萩 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
来客たちの引き揚げる三、四十分ばかりも前であったろうか? 夫人の記憶するところでは、その後殿下がお踊りになったのは、白耳義ベルギー大使夫人に請われて御一回
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
ママ、私共は昨晩十時五十分に巴里の北停車場からベルリン行きの国際列車に乗って途中白耳義ベルギーに入りましたが夜中で眠って居たので知らずに通過して仕舞いました。
母と娘 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
性格的に印象を打って長くあたまにこびりついている多くの「顔」を私は持つ——そのうちでも白耳義ベルギー首府メトロポリスブラッセルは、私にとって忘れられない「都会の顔」の一つだ。
踊る地平線:04 虹を渡る日 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
デュボアは白耳義ベルギーの至宝で、諏訪根自子ねじこの先生だ。有名な人だが、レコードはあまりよくない。こんな筈はないがと思うが、どうも粗雑な演奏が気になる。録音のせいかも知れない。
白耳義ベルギーのウェッテレンというところに、最良の火薬機械の製造所があるということじゃ、その工場をぜひ見て来たいものだと思うている、しかし、それは他国の者には見せぬということじゃ
この第一回万国平和会議は千八百九十九年五月十八日から和蘭オランダの首都海牙ハーグに開かれ、日本、独逸ドイツ、北米合衆国、墺太利匈牙利オーストリアハンガリー白耳義ベルギー、清国、丁抹デンマーク西班牙スペイン仏蘭西フランス希臘ギリシャ伊太利イタリア、ルクセンブルグ
文明史上の一新紀元 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
白耳義ベルギーの首府の看護婦学校長であった英国婦人エジス・カヴェル女史が去年独逸ドイツ軍のために捕えられて従容しょうようとして死刑にいたようなことは、母性中心説から見れば当然批難せらるべきことであろう。
母性偏重を排す (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
「あなたがマルセーユから電報をくだすったから、こうして白耳義ベルギーからお出迎いに罷りでたんじゃないの」
野萩 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
少年は、その人前でもちっとも恥しがったりうじうじしないで、しっかりと、白耳義ベルギーの孤児を自分達が助けて上げなければならないと云う事を話しているのでした。
私の見た米国の少年 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
それから白耳義ベルギー製のウヰスキー瓶のセットなど、父の面影がなおしのばれました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ジョセフ何とかいう男へ、白耳義ベルギーアントワアプのKCN——これだけでは差出人の性別はわからないが、「御存じより」と言ったところだからまず女とみてよかろう——から三通来ている。
イザイエは一八五八年白耳義ベルギーに生れた。
「あなたがマルセーユから電報をくだすったから、白耳義ベルギーからこうしてお出迎いに罷りでたんじゃないの」
ユモレスク (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
スルイヤの夫は工業学校出の機械屋エンジニーヤであったが、あの全欧洲の男性を人殺し機械にした欧洲大戦の際、英国陸軍工兵中尉として、生れたばかりのアグネスに頬ずりして、白耳義ベルギーの戦線へ出征して行った。
母と娘 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
白耳義ベルギー博物館——化石、前世界のとかげの大群。一訪にあたいす。
踊る地平線:04 虹を渡る日 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
彼女はもう一人、仏語を教えている白耳義ベルギー婦人と一緒であった。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
白耳義ベルギーのアンヴェルスで出版された「一八一六年にアフリカ西海岸で起った惨憺たる海難の原因。告白」
フランス伯N・B (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
仏蘭西、白耳義ベルギーの人々である。
墺太利オーストリア、シェンブルヌの王宮の門前で歩哨に撃たれて死んだとか、前皇后の生地マルチニック島で、白耳義ベルギーのブルュクセルで、瑞西スイスのベルヌで、というぐあいなのである。
フランス伯N・B (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ポーランドとよく似ているよ……白耳義ベルギーの屑鉄もチュニスの燐鉱も、いま、おれがやっている仕事は、骨を折ってやればやるほど、日本の滅亡を早める馬と拍車の関係になっている。
川波 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
国際列車には白耳義ベルギーの万国寝台車会社の一等寝台車が連結するが、一等のカテゴリーAはゆとりのある大きな部屋で、一車ごとにサモアールをひかえた専任の給仕がつき、食事の悪いことを除けば
川波 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
一、白耳義ベルギーブラッセルの「レルモンド襯衣会社」製のカラーが三本。
悪の花束 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)