“切子硝子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きりこガラス50.0%
カットグラス16.7%
きりこ16.7%
カッティング16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
葡萄の棚より露重げに垂れ下る葡萄を見上みあぐれば小暗おぐらき葉越しの光にそのふさの一粒一粒は切子硝子きりこガラスたまにも似たるを、秋風のややともすればゆらゆらとゆり動すさま
葡萄棚 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
彼女にとって、貞操は一つの切子硝子カットグラスの菓子皿なのです。何んかの拍子に、ひょっと落してってしまえば、もうその破片に対して何んの未練もないのです。
(新字新仮名) / 池谷信三郎(著)
やがて彼女の手より閃めき出でし蘭法附木つけぎの火、四方に並べし胡麻ごま燈油の切子硝子きりこ燈籠とうろに入れば、天井四壁一面に架けつらねしギヤマン鏡に、何千、何百となく映りはえて、二十余畳にも及ぶべき室内
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
卓上のスタンドは消したままで、天井から下った切子硝子カッティング飾電灯シャンデリヤが、書斎と言うよりは、むしろ客間と言うに相応ふさわしく、華やかに四方を照して居ります。
流行作家の死 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)