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玩弄
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おもちゃ
ふりがな文庫
“
玩弄
(
おもちゃ
)” の例文
お葉は覚悟を
極
(
き
)
めた。
𤢖
(
わろ
)
見たような奴等の
玩弄
(
おもちゃ
)
になる位ならば、
寧
(
いっ
)
そ死んだ方が
優
(
まし
)
である。
彼女
(
かれ
)
は足の向く方へと
遮二無二
(
しゃにむに
)
と進んだ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
質問してしまえばもはや用の無い
筈
(
はず
)
だが、何かモジモジして
交野
(
かたの
)
の
鶉
(
うずら
)
を極めている。やがて差俯向いたままで鉛筆を
玩弄
(
おもちゃ
)
にしながら
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「あ、あれだ、誰もおらぬと思うたのはこれも間違い、あの中に一人の男がいる、口の利けない男がいる、今それを引き出して
玩弄
(
おもちゃ
)
にするのだ」
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
大人
(
おとな
)
の
玩弄
(
おもちゃ
)
には持って来いのように出来ているものであるから、西洋人の眼にそれが珍奇に見えて購買慾をそそられたのは
道理
(
もっとも
)
のことと思われる。
幕末維新懐古談:38 象牙彫り全盛時代のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
動物を
生
(
なま
)
殺しにして
玩弄
(
おもちゃ
)
にして見たり、又は無意味に暗黒を恐れたりするのは、この性質の発露だそうであります。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
お前さんのような
道理
(
わけ
)
の分らない人間は猫や犬を見たようなものだ。何だ教育があるの何のといって、人の娘を
玩弄
(
おもちゃ
)
にしておいて教育が聴いて
呆
(
あき
)
れらあ。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「
石々
(
いしいし
)
合わせて、塩
汲
(
く
)
んで、
玩弄
(
おもちゃ
)
のバケツでお芋煮て、かじめをちょろちょろ
焚
(
た
)
くわいのだ。……よう
姉
(
あね
)
さん、」
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ありますよ。御神酒所で休んでいる時、今日の昼頃、当り箱を
玩弄
(
おもちゃ
)
にしていて、ツイ手拭の端へ、たという字を書きました。たたみやのたつぞうの頭文字の積りです」
銭形平次捕物控:017 赤い紐
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
子供等は時々彼等を
捉
(
つか
)
まえて
玩弄
(
おもちゃ
)
にする。彼等はお
愛想
(
あいそ
)
よく、耳を立て鼻を動かし小さな手の輪組の中におとなしく立っているが、少しでも、隙があれば逃げ出そうとする。
兎と猫
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
小町 あら、可愛いではありませんか? ちょいとわたしに
触
(
さわ
)
らして下さい。わたしは
兎
(
うさぎ
)
が大好きなのですから。(使の兎の耳を
玩弄
(
おもちゃ
)
にする)もっとこっちへいらっしゃい。
二人小町
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
黒い豊かな髪をきれいに取り上げた、すんなりと背の高い女だ。笑うたびに肩から腰を大ぎょうに波うたせて、色好みの男の
玩弄
(
おもちゃ
)
にまかせてきたらしい、しなやかな胴である。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
手頃な
屏風
(
びょうぶ
)
がないので、ただ都合の好い位置を
択
(
よ
)
って、何の
囲
(
かこ
)
いもない所へ、そっと北枕に寝かした。
今朝方
(
けさがた
)
玩弄
(
おもちゃ
)
にしていた風船玉を茶の間から持って来て、御仙がその枕元に置いてやった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これは
玩弄
(
おもちゃ
)
の鉄砲の中にある蛇腹のような奴サ、第二は曲線的有則螺線サ、これはつまり第一の奴をまげたのと同じことサ、第三は級数的螺線サ、これは螺線のマワリが段々と大きくなる奴サ
ねじくり博士
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
と指環を
玩弄
(
おもちゃ
)
にしながら光代は言う。
書記官
(新字新仮名)
/
川上眉山
(著)
いいかげん
玩弄
(
おもちゃ
)
にして、もうヘトヘトになった道庵を、裸松は手近な井戸流しのところへ引きずって来ましたが、それでも、殺すまでの気はないと見えて
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
玩弄
(
おもちゃ
)
は取替えられたんです、花は古い手に
摘
(
つま
)
れたんです……男は、潔い白い花を、後妻になれと言いました。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
こんな山奥へ
引摺込
(
ひきずりこ
)
まれて、人だか𤢖だか判らぬような
怪物共
(
ばけものども
)
の
玩弄
(
おもちゃ
)
にされて
堪
(
たま
)
るものか。
他
(
ひと
)
面白くもない、
好加減
(
いいかげん
)
に馬鹿にしろと、
彼女
(
かれ
)
は持前の
侠肌
(
きゃん
)
を発揮して、奮然
袂
(
たもと
)
を払って
起
(
た
)
った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「あの金時計かい。藤尾が
玩弄
(
おもちゃ
)
にするんで有名な」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
男に取替えられた
玩弄
(
おもちゃ
)
は、古い手に摘まれた新しい花は、はじめは何にも知らなかったんです。清い、美しい、朝露に、
旭
(
あさひ
)
に向って咲いたのだと人なみに思っていました。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
恰好
(
かっこう
)
がおかしいといって裸松は、いい
玩弄
(
おもちゃ
)
にして面白がっている。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
乱暴な
小僧
(
こぞ
)
ッ
児
(
こ
)
の癖に、失礼な、末恐しい、見下げ果てた、何の生意気なことをいったって私が
家
(
とこ
)
に今でもある、アノ
籐
(
とう
)
で編んだ茶台はどうだい、
嬰児
(
ねんねえ
)
が
這
(
は
)
ってあるいて
玩弄
(
おもちゃ
)
にして
清心庵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「けれど、それはみんな、あたしの方から
惚
(
ほ
)
れたのじゃなくってよ、早くいえば、あたしがだまされたんですね、それから
自棄
(
やけ
)
になって、とうとう七人の男にみんなだまされて、
玩弄
(
おもちゃ
)
になってしまいました」
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「か、知らぬか、のう。二度添とはの、二度目の妻の事じゃ。男に取替えられた
玩弄
(
おもちゃ
)
の
女子
(
おなご
)
じゃ。古い手に摘まれた、新しい花の事いの。
後妻
(
うわなり
)
じゃ、
後妻
(
ごさい
)
と申しますものじゃわいのう。」
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女は氏なくして玉の
輿
(
こし
)
だから、どんな身分の人に姉さんといわれないとも限らぬが、そりゃ男の方から心を取って惚れさせようとか、気に入られようとかして、後じゃあ
玩弄
(
おもちゃ
)
にするためだ。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
指で
環
(
わ
)
を
拵
(
こしら
)
えたような、小さな
玩弄
(
おもちゃ
)
の緑の
天鵝絨
(
びろうど
)
の
蟇口
(
がまぐち
)
を引出して、パチンとあけて、
幼児
(
おさなご
)
が袂の中を
覗
(
のぞ
)
くように、あどけなく、嬉しそうに、ぱっちりした目を細めて見ながら、
一片
(
ひとひら
)
の、銀の小粒を
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「食べやしないんだよ。爺や、ただ
玩弄
(
おもちゃ
)
にするんだから。」
清心庵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“玩弄”の意味
《名詞》
玩 弄(がんろう)
もてあそぶこと。
(出典:Wiktionary)
玩
常用漢字
中学
部首:⽟
8画
弄
常用漢字
中学
部首:⼶
7画
“玩弄”で始まる語句
玩弄物
玩弄品
玩弄屋
玩弄児
玩弄具
玩弄用
玩弄箱