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率爾
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そつじ
ふりがな文庫
“
率爾
(
そつじ
)” の例文
彼はやや
急
(
せ
)
き込みながら、「
率爾
(
そつじ
)
ながら、少々ものを尋ねるが、その出家と申すは、年の頃はどれぐらいじゃ」と、きいた。
恩讐の彼方に
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「場所がらをも弁えず、まことに
率爾
(
そつじ
)
ではござりまするが、事火急のお願い、何とぞお聞き届け願わしゅう存じまする……」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あいつがこう乙な声を出して、
率爾
(
そつじ
)
ながらしばしお待ちを願う、お呼びとめありしはそれがしか——なんてことになると面白えんだがなあ。
仇敵討
(
かたきう
)
ちだぜ、きっと
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
子路
率爾
(
そつじ
)
として
対
(
こた
)
えて曰く、千乗の国大国の間に
摂
(
はさ
)
まりて加うるに
師旅
(
しりょ
)
を以てし
因
(
かさ
)
ぬるに
饑饉
(
ききん
)
を以てせんとき、
由
(
ゆう
)
これを
為
(
おさ
)
めば、三年に及ばん
比
(
ころ
)
、勇あり
且
(
か
)
つ
方
(
みち
)
を知らしめん。夫子之を
哂
(
わら
)
う。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
これらの歌多くは事に逢ふて
率爾
(
そつじ
)
に作りし者なるべく文字の
排列
(
はいれつ
)
などには注意せざりしがために歌としては善きも悪きもあれどとにかく
天真爛漫
(
てんしんらんまん
)
なる処に元義の人物性情は
躍如
(
やくじょ
)
としてあらはれ居るを
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
▼ もっと見る
「
率爾
(
そつじ
)
ながらそこへ参られたは、お武家かそれとも土地のお方か?」
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
休めて扨老女に打對ひ
率爾
(
そつじ
)
ながら此處は何と
言
(
いふ
)
所にて東海道の宿迄は
道法
(
みちのり
)
何程是有やと尋ぬるに老女は答へて此處は大野の在にて
街道
(
かいだう
)
迄は二里餘りも有ぬべし只今承まはれば
御連
(
おつれ
)
を見失ひ此所迄後を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そんならあの
率爾
(
そつじ
)
な火の戯を御勘弁下さいますか。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
「
率爾
(
そつじ
)
ながら、ちとものを、ちとものを。」
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ではまだ、ずっと東の方の道よな。さもあろう、
女子
(
おなご
)
と
盲
(
めしい
)
づれの足では。……いや、
率爾
(
そつじ
)
を申した。御免」
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
通
(
つう
)
じければ大隅守殿早速對面あり此時越前守には
率爾
(
そつじ
)
ながら早速伺ひ申度は今より廿三年以前の御
召使
(
めしつか
)
ひに
澤
(
さは
)
の
井
(
ゐ
)
と申女中の御座候ひしやと
聞
(
きく
)
に大隅守殿申さるゝは親將監三年以前に
病死
(
びやうし
)
致し私し家督仕つり候へども當年廿五歳なれば廿三年
跡
(
あと
)
の事は一
向
(
かう
)
辨
(
わきま
)
へ申さずと答へらる越前守
推返
(
おしかへ
)
して然らば御
母公
(
ぼこう
)
には
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
挨拶として
率爾
(
そつじ
)
はないが、噛んでも味のない
辞令
(
じれい
)
一片である。石川数正もそうだったが、総じてここの家中には一種特別な家風が
儼
(
げん
)
としてあるやに感じられる。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
注
(
そゝ
)
ぎ掛け忠兵衞なれば
恍惚
(
みとれ
)
もせず其儘
奧
(
おく
)
へ入たれば
能
(
よく
)
は見ねども
一寸
(
ちよつと
)
見
(
み
)
るさへ比ひ
稀
(
まれ
)
なる美婦人と思へば
家
(
うち
)
の若旦那が
見染
(
みそめ
)
て思ひ
惱
(
なやむ
)
も
道理
(
だうり
)
要こそあれと
主個
(
あるじ
)
に向ひチト
率爾
(
そつじ
)
なるお願ひにて申し出すも出しにくきが
吾儕
(
わたくし
)
は本町三丁目
小西屋長左衞門
(
こにしやちやうざゑもん
)
方の
管伴
(
ばんたう
)
にて忠兵衞と申す者なるが今日出番かた/″\にて
御覽
(
ごらん
)
の通り
丁稚
(
こぞう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「ほまれある御裔とも思いもよらず、さきほどからの
率爾
(
そつじ
)
はゆるせ。盃をとらそう。下野とやら」
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「男には分らん。分らんものを、見当違いな
率爾
(
そつじ
)
であったら、ごかんべんを願いたい」
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
率爾
(
そつじ
)
を謝して、あわてて奥へはいって行った。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「これは、
率爾
(
そつじ
)
を」
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“率爾”の意味
《名詞》
率爾(そつじ)
にわかであること。突然であること。卒爾。
(出典:Wiktionary)
率
常用漢字
小5
部首:⽞
11画
爾
漢検準1級
部首:⽘
14画
“率”で始まる語句
率
率直
率先
率土
率寝
率寢
率気
率々
率行
率賓