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煙筒
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えんとう
ふりがな文庫
“
煙筒
(
えんとう
)” の例文
六千四百
噸
(
とん
)
の
巨船
(
きよせん
)
もすでに
半
(
なかば
)
は
傾
(
かたむ
)
き、
二本
(
にほん
)
の
煙筒
(
えんとう
)
から
眞黒
(
まつくろ
)
に
吐出
(
はきだ
)
す
烟
(
けぶり
)
は、
恰
(
あたか
)
も
斷末魔
(
だんまつま
)
の
苦悶
(
くもん
)
を
訴
(
うつた
)
へて
居
(
を
)
るかのやうである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
煙筒
(
えんとう
)
から煙が出ている。マストだのタラップだの、それはぼくら横浜の子供は朝夕に見つけている港内の汽船みたいだが、船首と船尾に大砲を附けることを忘れていない。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
尤
(
もっと
)
も
深川小名木川
(
ふかがわおなぎがわ
)
から
猿江
(
さるえ
)
あたりの
工場町
(
こうじょうまち
)
は、工場の建築と無数の
煙筒
(
えんとう
)
から吐く煤烟と絶間なき機械の震動とによりて、やや西洋風なる余裕なき悲惨なる光景を呈し
来
(
きた
)
ったが
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
台所か居間かにすわりきりだった。居間からは
煙筒
(
えんとう
)
越しに、病院の庭の木の
梢
(
こずえ
)
が見えた。書物を読むでもなく、働こうとばかりした。頭がぼんやりし、退屈し、退屈のあまりに涙を流した。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
私
(
わたくし
)
は
今
(
いま
)
、
二本
(
にほん
)
煙筒
(
えんとう
)
二本
(
にほん
)
檣
(
マスト
)
の
不思議
(
ふしぎ
)
なる
船
(
ふね
)
を
見
(
み
)
て、
神經
(
しんけい
)
の
作用
(
さよう
)
かは
知
(
し
)
らぬがふと
思
(
おも
)
ひ
浮
(
うか
)
んだ
此
(
この
)
話
(
はなし
)
、
若
(
も
)
しかの
老水夫
(
らうすゐふ
)
の
言
(
げん
)
が
眞實
(
まこと
)
ならば、
此樣
(
こん
)
な
船
(
ふね
)
ではあるまいか、
其
(
その
)
海賊船
(
かいぞくせん
)
といふのは
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
いそがしき世は製造所の
煙筒
(
えんとう
)
叢立
(
むらだ
)
つ都市の一隅に当ってかつては
時鳥
(
ほととぎす
)
鳴き
蘆
(
あし
)
の葉ささやき
白魚
(
しらうお
)
閃
(
ひらめ
)
き
桜花
(
おうか
)
雪と散りたる美しき
流
(
ながれ
)
のあった事をも忘れ果ててしまう時、せめてはわが小さきこの著作をして
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
二
本
(
ほん
)
の
煙筒
(
えんとう
)
に四
本
(
ほん
)
檣
(
マスト
)
の
頗
(
すこぶ
)
る
巨大
(
きよだい
)
な
船
(
ふね
)
である、
此度
(
このたび
)
支那
(
シナ
)
及
(
およ
)
び
日本
(
につぽん
)
の
各港
(
かくかう
)
へ
向
(
むか
)
つての
航海
(
こうかい
)
には、
夥
(
おびたゞ
)
しき
鐵材
(
てつざい
)
と、
黄金
(
わうごん
)
眞珠等
(
しんじゆなど
)
少
(
すく
)
なからざる
貴重品
(
きちやうひん
)
を
搭載
(
たうさい
)
して
居
(
を
)
る
相
(
さう
)
で、
其
(
その
)
船脚
(
ふなあし
)
も
餘程
(
よほど
)
深
(
ふか
)
く
沈
(
しづ
)
んで
見
(
み
)
えた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
煙
常用漢字
中学
部首:⽕
13画
筒
常用漢字
中学
部首:⽵
12画
“煙”で始まる語句
煙草
煙管
煙
煙突
煙草盆
煙草入
煙硝
煙草屋
煙火
煙管筒