滿みた)” の例文
新字:
もしそれ正しき刑罰を不義の快樂けらくむかはしめつゝ、罪のつくれる空處を滿みたすにあらざれば、人その尊さに歸ることなし 八二—八四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
足音がまた廊下に響いて、女が飯櫃めしびつを持つて來た頃は、小池もお光も、むさぼつた肉と野菜とに空腹を滿みたして、ぐんにやりとしてゐた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ちかづいてると艇中ていちうには一個いつこ人影ひとかげもなく、海水かいすいていなかばを滿みたしてるが、なにもあれてんたすけうちよろこび、少年せうねんをば浮標ブイたくし、わたくし舷側げんそくいておよぎながら、一心いつしん海水かいすい酌出くみだ
私は洗面臺の上の水瓶から、それを半分滿みたした。
水を滿みたして炎々の薪を下に投げ入れぬ
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
兄弟よ、汝の尊き願ひは最後の球にて滿みたさるべし、こはわが願ひも他の凡ての願ひも皆滿みたさるゝところなり 六一—六三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
じつは、少年せうねんともに、たゞ一口ひとくちに、堪難たえがた空腹くうふく滿みたしたきは山々やま/\だが、てよ、いまこのちいさいうをを、周章あはてゝたいらげたとてなにになる、農夫のうふ如何いかうゑても、一合いちごうむぎはずにいて一年いちねんはかりごとをする
たゞわが身については我汝の願ひを滿みたさむ、我はグイード・グィニツェルリなり、未だ最後いまはとならざる先に悔いしため今既に罪を淨む。 九一—九三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
この倉庫さうこにはぜんまうした、海底戰鬪艇かいていせんとうてい動力どうりよく原因げんいんとなるべき重要ぢうえう化學藥液くわがくやくえきが、十二のたる滿みたされてをさめられてあるのです。じつこの藥液やくえきたるこそ、海底戰鬪艇かいていせんとうてい生命せいめいともいふべきものです。』とこたへた。
讀者よ、我に餘白の滿みたすべきあらば、飮めども飽かざる水のうまさをいさゝかなりともうたはんものを 一三六—一三八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
かの眞珠のうちのいと大いにしていと強く光るもの、己が事につきわが願ひを滿みたさんとて進み出でたり 二八—三〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)