温泉場おんせんば)” の例文
ゆうちゃんは、あとで、さびしいがしました。それから、温泉場おんせんばまで、ふたたび少年しょうねんることができなかったのでした。
銀のペンセル (新字新仮名) / 小川未明(著)
こういう処は地勢が切迫して坂と坂との差向いが急激に接近していれば、景色はいよいよ面白く、市中に偶然温泉場おんせんばの街が出来たのかと思わせるような処さえある。
百万本のひのきに取り囲まれて、海面を抜く何百尺かの空気をんだり吐いたりしても、人のにおいはなかなか取れない。それどころか、山を越えて落ちつく先の、今宵こよいの宿は那古井なこい温泉場おんせんばだ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ところで、この町からすこし南のほうにあたって、海からあまり遠くないところに、ロンネビューの温泉場おんせんばがあります。そこには温泉や温泉宿おんせんやどや春のお客のためのホテルや別荘べっそうなどもあります。
なぜだか、あのふえくと、わたしは、おかあさんと、あの山奥やまおく温泉場おんせんばへいったときのことがにうかんでくる。あの時分じぶんは、おかあさんは達者たっしゃで、自分じぶんは、まだ子供こどもだった。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
少年しょうねん気恥きはずかしいおもいがして、あななかへでもはいりたいようながしましたが、はや温泉場おんせんばへいって、病気びょうきをなおしてからはたらくということをかんがえると、ずかしいのもわすれて
石をのせた車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
三味線しゃみせんをひいて、たびおんなが、毎日まいにち温泉場おんせんばまちあるいていました。諸国しょこくうたをうたってみんなをおもしろがらせていたが、いつしか、その姿すがたえなくなりました。そのはずです。
銀のペンセル (新字新仮名) / 小川未明(著)
「じゃ、群馬県ぐんまけんにある、有名ゆうめい温泉場おんせんばは?」と、先生せんせいは、おいになりました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
少年しょうねんは、もうすこしかねがたまったら、それを旅費りょひにして、西にしほう温泉場おんせんばをさして、かけるつもりでいましたやさきでありましたから、んでもこのかねされないとおもっていました。
石をのせた車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しばらくおもいまどったすえに、自分じぶんが、鉄砲てっぽうでうたれて、からすから温泉場おんせんばおしえられていった、上話うえばなしをするにこしたことがないとづくと、かれは、ここにくるまでのはなしをしたのでした。
温泉へ出かけたすずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
いくら、いい温泉場おんせんばでも、ひとりいるのではさびしくて、えられなかった。からだがなおるとさと古巣ふるすおもしたのも無理むりはありません。そこには、かれらのともだちが、たくさんすんでいるはずです。
温泉へ出かけたすずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
温泉場おんせんばまちまで、二人ふたりは、いっしょにきました。わかれる時分じぶん
銀のペンセル (新字新仮名) / 小川未明(著)