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水引
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みずひき
ふりがな文庫
“
水引
(
みずひき
)” の例文
福包み(
榧
(
かや
)
、
勝栗
(
かちぐり
)
などを紙に包んで
水引
(
みずひき
)
を掛けて包んだもの、
延命袋
(
えんめいぶくろ
)
のようなもの)などを附けて
門
(
かど
)
飾りにしたものです。
幕末維新懐古談:43 歳の市のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
その
蓋
(
ふた
)
の上には、
熨斗
(
のし
)
屋の看板みたいなでっかい熨斗をはりつけ、胴中を、これも
水引
(
みずひき
)
屋の看板みたいなべら棒に大きな水引でくくってあった。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その翌日、日比野の女中が、
水引
(
みずひき
)
をかけた菓子折の箱を持って、蝙蝠を貰った礼を云いにお涌の家へ来た。
蝙蝠
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
水引
(
みずひき
)
と
慰斗
(
のし
)
とをかけた桶の中には、青笹を蒲団に、巨大な赤鯛が二尾、イセエビが一匹、鯛の肌のうえには、「祝儀」の二字を太い筆でかいた奉書包み、それには
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
卓子台
(
ちゃぶだい
)
の上に、一尺四五寸まわり白木の箱を、清らかな
奉書包
(
ほうしょづつみ
)
、
水引
(
みずひき
)
を装って、一羽、紫の
裏白蝶
(
うらしろちょう
)
を折った形の、珍らしい
熨斗
(
のし
)
を添えたのが、塵も置かず、据えてある。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
夏のことで
白扇
(
はくせん
)
をサラリと開くと
懐
(
ふところ
)
から贈物の
目録
(
もくろく
)
書と、
水引
(
みずひき
)
をかけた封金を出して乗せたが
旧聞日本橋:08 木魚の顔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
この上は正面から魚屋へ押し掛けて、徳蔵夫婦の様子を探るよりほかは無いと思ったので、半七はそこらの紙屋へ寄って、黒い
水引
(
みずひき
)
と紙とを買って
香奠
(
こうでん
)
の包みをこしらえた。
半七捕物帳:13 弁天娘
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
奥座敷の神棚の下には大勝始め諸方からの祝いの品々が
水引
(
みずひき
)
の掛ったままで積重ねてあった。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
生徒に
向
(
むかっ
)
て金二分持て来い、
水引
(
みずひき
)
も要らなければ
熨斗
(
のし
)
も要らない、一両
持
(
もっ
)
て来れば
釣
(
つり
)
を
遣
(
や
)
るぞと
云
(
い
)
うように
触込
(
ふれこ
)
んでも、ソレでもちゃんと水引を掛けて持て来るものもある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
十一日 垣にぶら下がっていた
南瓜
(
かぼちゃ
)
がいつの間にか垂れ落ちて
水引
(
みずひき
)
の花へ尻をすえている。
窮理日記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
これも「去年は降るほどなった」そうだが高いところに七つ八つあるばかり。下草をかきわけてやっと三つ四つさがしだした。堅くて小さいがかおりは高い。ぐみ、
水引
(
みずひき
)
の花。
島守
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
立派な
水引
(
みずひき
)
がかかっているので、それを
除
(
はず
)
して中を改めると、五円札が二枚入っていた。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ああして
捏
(
こね
)
たり
延
(
のば
)
したりしているところを見ると、まるで餅屋だな。……おい、見ろ、むこうの鞴のそばでは、金を
水引
(
みずひき
)
のように細長く引きのばして遊んでいる。……さあ、帰ろう。
顎十郎捕物帳:07 紙凧
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
薄
(
すすき
)
は
銀
(
しろがね
)
の穂を延ばし、
水引
(
みずひき
)
の花は紅に、
芙蓉
(
ふよう
)
の花は
薄紅
(
うすべに
)
に、
竜胆
(
りんどう
)
の花は空色に、雑草の
間
(
ま
)
に間に咲き乱れ、風に乗せられて匂うのは、
木犀
(
もくせい
)
の香か
睡蓮
(
すいれん
)
の香か、時雨のような虫の声は
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
勝久は看板を懸けてから四年目、明治十年四月三日に、両国中村楼で
名弘
(
なびろ
)
めの
大浚
(
おおざらい
)
を催した。
浚場
(
さらいば
)
の
間口
(
まぐち
)
の天幕は深川の五本松門弟
中
(
じゅう
)
、
後幕
(
うしろまく
)
は
魚河岸問屋
(
うおがしどいや
)
今和
(
いまわ
)
と緑町門弟中、
水引
(
みずひき
)
は牧野家であった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
枕の上には銀の
水引
(
みずひき
)
で蝶形の
的
(
まと
)
をすえ、席をさだめて
扇
(
おうぎ
)
を持つ。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「馬鹿な……オンチだなあ……みんな期待しているんじゃねえか。鼻の先に
水引
(
みずひき
)
がブラ下がっているんじゃねえか。今年の起業祭には会社が五千円ぐらいハズムってんだから懸賞の金だって大きいにきまっているんだぜ。何故、取らねえんだ……オンチ……」
オンチ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その翌日、日比野の女中が、
水引
(
みずひき
)
をかけた菓子折の箱を持つて、蝙蝠を
貰
(
もら
)
つた礼を云ひにお涌の家へ来た。
蝙蝠
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
父上はこれに一々
水引
(
みずひき
)
をかけ綺麗にはしを揃えて、さて一々青い紙と白い紙とをしいた三宝へのせる。あたりは赤と白との水引の屑が
茄子
(
なす
)
の茎
人蔘
(
にんじん
)
の葉の中にちらばっている。
祭
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
起臥
(
おきふし
)
の、
徒然
(
つれづれ
)
に、
水引
(
みずひき
)
の結び方、
熨斗
(
のし
)
の折り方、押絵など、中にも唯今の菊細工——人形のつくり方を、
見真似
(
みまね
)
に覚えもし、教えもされましたのが、……かく持参のこの
手遊品
(
おもちゃ
)
で。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
木犀、萩、
水引
(
みずひき
)
、鶏頭が、次々に屋敷の庭に咲き、八百屋の店頭には八ツ頭、唐の芋の新鮮なのが現われたり、魚屋の盤台には落ち鮎、かますなどが、
膏
(
あぶら
)
ののった体を横たえたりした。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ただし金を納むるに、
水引
(
みずひき
)
のしを用ゆべからず。
慶応義塾新議
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
芒
(
すすき
)
の
蓬々
(
ほうほう
)
たるあれば萩の道に溢れんとする、さては
芙蓉
(
ふよう
)
の白き紅なる、
紫苑
(
しおん
)
、
女郎花
(
おみなえし
)
、
藤袴
(
ふじばかま
)
、
釣鐘花
(
つりがねばな
)
、虎の尾、鶏頭、
鳳仙花
(
ほうせんか
)
、
水引
(
みずひき
)
の花さま/″\に咲き乱れて、
径
(
みち
)
その間に通じ
半日ある記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
“水引”の解説
水引(みずひき)は祝儀や不祝儀の際に用いられる飾りで贈答品の包み紙などにかける紅白や黒白などの帯紐。贈答品や封筒に付けられる飾り紐のことで、その形や色により様々な使い分けを行う。もしくは、飾り紐などに使われる紐。また飾り紐としてだけでなく、鶴や船などの置物や髪飾りとしても使用される。
(出典:Wikipedia)
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
“水引”で始まる語句
水引草
水引屋
水引竹刀