此後このゝち)” の例文
いま支那海シナかい波濤はたうつて進航しんかうしてるから、よし此後このゝちなみたかくとも、かぜあらくとも、二せん諸君しよくん面前めんぜんあらはれるのは最早もはとほことではあるまいとおもふ。
其外そのほか便利べんりは一々かぞあぐるにおよばざることなり。たゞ此後このゝち所謂いはゆる晦日みそかつきることあるべし。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
わたし此後このゝちあるひ光子みつこ離縁りえんするかもはかられぬ。次第しだいつては、光子みつこ父母ちゝはゝに、此事このこと告白こくはくせぬともかぎらぬ。が、告白こくはくしたところで、離縁りえんをしたところで、光子みつこたいする嫉妬しつとほのほは、つひすことが出来できぬ。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
今迄いまゝでのおはなしで、きみこのしま漂着へうちやく次第しだいわかつたが、さて此後このゝち如何いかになさる御决心ごけつしんです。』
てん非常ひじやうめぐみがあるならばまんに一つ無事ぶじすくはれぬともかぎらぬが、其儘そのまゝうみ藻屑もくづえて、そのたましひてんかへつたものならば、此後このゝち吾等われら運命うんめいよく無事ぶじたすかることがあらうとも