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此後
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このゝち
今は
支那海の
波濤を
蹴つて
進航して
居るから、よし
此後浪高くとも、
風荒くとも、二
船が
諸君の
面前に
現はれるのは
最早や
遠い
事ではあるまいと
思ふ。
其外の
便利は一々
計へ
擧るに
及ばざることなり。
唯此後は
所謂晦日に
月を
見ることあるべし。
私は
此後或は
光子を
離縁するかも
測られぬ。
次第に
因つては、
光子の
父母に、
此事を
告白せぬとも
限らぬ。が、
告白したところで、
離縁をした
処で、
光子に
対する
嫉妬の
焔は、
遂に
消すことが
出来ぬ。
『
今迄のお
話で、
君が
此島へ
漂着の
次第は
分つたが、さて
此後は
如何になさる
御决心です。』
若し
天に
非常の
惠があるならば
萬に一つ
無事に
救はれぬとも
限らぬが、
其儘海の
藻屑と
消えて、
其魂が
天に
歸つたものならば、
此後吾等は
運命よく
無事に
助かる
事があらうとも