機械的きかいてき)” の例文
院長いんちょう片手かたて頬杖ほおづえきながら考込かんがえこんで、ただ機械的きかいてき質問しつもんけるのみである。代診だいしんのセルゲイ、セルゲイチが時々ときどきこすこすくちれる。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
マチアはそう機械的きかいてきに言って、あたかもこの子どももばっせられると思うのがかれに満足まんぞくをあたえるもののようであった。
学校がっこうへいって、あんまり機械的きかいてき訓練くんれんされると、人間にんげんもセパードみたいなかおつきになるものかしらん。」
金歯 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたくしはなしられてゐたので、お料理れうり大抵たいていべはぐしてしまつた。おいしさうなスープも、んばしい饅頭風まんじうふうのお菓子かしも、それに時々とき/″\機械的きかいてきくちにするウオツカのよいた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
花前の働きぶりはほとんど水車すいしゃ回転かいてんとちがわない。時間じかん順序じゅんじょといい、仕事しごと進行しんこうといい、いかにも機械的きかいてきである。余分よぶんなことはすこしもしないかわりに、なすべきことはちょっとのゆるみもない。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
機械的きかいてきとほした。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
わたしたちは歩きつづけた。でも機械的きかいてきにときどきぐるりと見回すと、やはりいつまでも同じ場所に立ち止まったまま、少しも進んでいないように思われた。
或時あるとき徒然つれづれなるにまかせて、書物しょもつ明細めいさい目録もくろく編成へんせいし、書物しょもつにはふだを一々貼付はりつけたが、こんな機械的きかいてき単調たんちょう仕事しごとが、かえって何故なにゆえ奇妙きみょうかれ思想しそうろうして、興味きょうみをさええしめていた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
機械的きかいてきにわたしは服従ふくじゅうして、立ち上がった。なにがなんだかわからないような顔をしていた。
患者くわんじやおほいのに時間じかんすくない、で、いつ簡單かんたん質問しつもんと、塗藥ぬりぐすりか、※麻子油位ひましあぶらぐらゐくすりわたしてるのにとゞまつてゐる。院長ゐんちやう片手かたて頬杖ほゝづゑきながら考込かんがへこんで、たゞ機械的きかいてき質問しつもんけるのみである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)