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村方
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むらかた
ふりがな文庫
“
村方
(
むらかた
)” の例文
村方
(
むらかた
)
の家々にては
慌
(
あわ
)
てゝ戸を閉じ子供は泣く、老人は
杖
(
つえ
)
を棄てゝ
逃
(
にげ
)
るという始末で、いやもう
一方
(
ひとかた
)
ならぬ騒ぎでございます。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「旦那様がそのお方だとは、夢にも知りましねえで……ただ、
村方
(
むらかた
)
でそういう
噂
(
うわさ
)
をしとりますもんで……お気をお悪くなすっちゃ困るでやすが」
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
名主だった松井の先々代に支配されていた
村方
(
むらかた
)
一般の子孫なので、ものの考え方や生活感情に、習俗とでもいうような共通したものがあるらしい。
春の山
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
お山の下の恐しい、あの
谿河
(
たにがわ
)
を渡りました。
村方
(
むらかた
)
に、知るべのものがありまして、
其処
(
そこ
)
から通いましたのでございます。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しからば
村方
(
むらかた
)
の者どもは、山の平に廻って止宿せよと申聞け、自分だけ其場に止宿したと記している。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
「かう
他
(
ほか
)
の税が高いんやもん、天滿山官林の松茸ぐらゐ、
村方
(
むらかた
)
へ
無代
(
たゞ
)
呉れたて
可
(
よ
)
さゝうなもんや。それを一兩でも高う賣らうと、競り上げるのは、官も慾が深すぎる。」
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
追い追いと人口も繁殖する中古のころになって、犬山の
石川備前守
(
いしかわびぜんのかみ
)
がこの地方の管領であった時に、谷中
村方
(
むらかた
)
の宅地と開墾地とには
定見取米
(
じょうみとりまい
)
、山地には
木租
(
ぼくそ
)
というものを課せられた。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
はずんだところで
調布
(
ちょうふ
)
あたりから料理を呼んでの
饗宴
(
ふるまい
)
は、唯親類縁者まで、
村方
(
むらかた
)
一同へは、婿は紋付で組内若くは親類の男に連れられ、軒別に手拭の一筋半紙の一帖も持って挨拶に廻るか
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
村方
(
むらかた
)
の方から
驀然
(
まっしぐら
)
にこの古市の町へ走り込んだムクのあとを追いかけて来るのが何十人という人、
得物
(
えもの
)
を持ち、石や瓦を抱えている。前には役人連、そのあとから
番太
(
ばんた
)
、
破落戸
(
ごろつき
)
、弥次馬の
類
(
たぐい
)
が続く。
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
極め甚右衞門外兩人の者も其の夜は寺に
泊
(
とま
)
りける此日は三月節句の事なれば
村方
(
むらかた
)
所々
(
じよ/\
)
にて宵の中は
田舍唄
(
ゐなかうた
)
又は三味線など
彈
(
ひき
)
て賑ひ名主九郎右衞門方へも
組頭
(
くみがしら
)
佐治右衞門
周藏
(
しうざう
)
忠内
(
ちうない
)
七左衞門等
入來
(
いりきた
)
り座頭に儀太夫を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
狹霧
(
さぎり
)
立つ月の夜さりは
村方
(
むらかた
)
の野よ
香
(
かう
)
ばしく麥こがし
熬
(
い
)
る
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
清「
怖
(
おっ
)
かねえ、女をまア、
何
(
なん
)
てエ、人を殺すったって
村方
(
むらかた
)
の土手じゃアねえか、ウーン怖かなかんべえ、ウーン
何
(
ど
)
うした」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……さん子さん、
一寸
(
ちょっと
)
唄
(
うた
)
つてお
遣
(
や
)
り。
村方
(
むらかた
)
で真似をするのに、いゝ手本だ。……まうけさして
貰
(
もら
)
つた
礼心
(
れいごころ
)
に、ちゃんとした
処
(
ところ
)
を教へてあげよう。
置土産
(
おきみやげ
)
さ、さん子さん、お唄ひよ。
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
是にはやはり古風な
村方
(
むらかた
)
で、今でも稀には見られるように、数ある仕事着の中の最も新しい一つを、着て出ることを許すのがよいかと思うが、そうするとあらゆる職業別を超越した
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
言うまでもなく、
村方
(
むらかた
)
総代仲間が山林規則を過酷であるとして、まさに筑摩県庁あての嘆願書を提出するばかりにしたくをととのえたことが、支庁の人たちの探るところとなったのだ。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
狭霧
(
さぎり
)
立つ月の夜さりは
村方
(
むらかた
)
の野よ
香
(
かう
)
ばしく麦こがし
熬
(
い
)
る
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
〆太鼓の男
稽古中
(
けいこちゅう
)
のお神楽で、へい、
囃子
(
はやし
)
ばかりでも、大抵
村方
(
むらかた
)
は浮かれ
上
(
あが
)
っておりますだに、面や装束をつけましては、
媼
(
ばば
)
、
媽々
(
かか
)
までも、仕事
稼
(
かせ
)
ぎは、へい、手につきましねえ。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
月や春、
北之幸谷
(
きたのかうや
)
の
村方
(
むらかた
)
を舞ふ獅子舞の笛もこそ行け
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
男衆も女衆も、その火を消す
間
(
ま
)
に、帳場から、何から、
家中
(
うちじゅう
)
切
(
きり
)
もりをしてござった
彼家
(
あのいえ
)
のお
祖母様
(
ばばさま
)
が死なしゃった。人の
生命
(
いのち
)
を、火よりさきへ助ければ
可
(
よ
)
いものと、
村方
(
むらかた
)
では言うぞいの。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
些
(
ちっ
)
と
日数
(
ひかず
)
が経ってから、親仁どのは、
村方
(
むらかた
)
の
用達
(
ようたし
)
かたがた、東京へ参ったついでに
芝口
(
しばぐち
)
の
両換店
(
りょうがえや
)
へ寄って、
汚
(
きたな
)
い
煙草入
(
たばこいれ
)
から煙草の粉だらけなのを一枚だけ、そっと出して、いくらに買わっしゃる
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
村
常用漢字
小1
部首:⽊
7画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“村方”で始まる語句
村方惣代