本道ほんだう)” の例文
矢張やツぱりいままで歩行あるいてはゞひろいなだらかなはうまさしく本道ほんだう、あと二らずけばやまになつて、それからがたうげになるはず
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
主人が脇差を持出して、漸く切りましたが、その時はもう、お内儀さんは息が絶えて、町内の本道ほんだうを呼んでせましたが、呼び生ける手だてもございませんでした
仙臺の或古老の話に據ると、伊達家のさむらひがあつて、昔、本道ほんだうへ來て、桐の苗を澤山植ゑつけたことがある。それがどこの山であつたか、記録には殘つてゐない。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
療治れうぢ報酬はうしう藥箱くすりばこ進物しんもつといふのは、すこへんだが、本道ほんだうのほかに外療げれう巧者かうしや玄竹げんちくは、わかもの怪我けが十針とはりほどもつて、いとからんだ血腥ちなまぐさいものを、自分じぶんくちるといふやうな苦勞くらうまでして
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
扨又大岡殿尋問たづねらるゝは其筋本道ほんだう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
街を縦に貫く本道ほんだう
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
松本まつもとかつしやる? あゝ/\本道ほんだうぢや、なにね、此間こなひだ梅雨つゆみづてとてつもないかは出来できたでがすよ。)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すると、暫く經つてから隱居所の母親も、同じやうに苦しみ出し、町内の本道ほんだう賢齋けんさい先生に來て頂いて、精一杯のことをいたしましたが、主人は漸く助かり、日頃身體の弱い母親は——
助けてやらん是より道程みちのり何程なにほどあるやと問ひければ八五郎然樣さやうさ四里八町と申せども多分たぶん中頃なかごろで爲す仕事ならん一筋道すぢみちゆゑ御出おいでなされば間違ひなけれ共餘程時刻もおくれたれば贅足むだあしならんといふに半四郎は最早もはや立上たちあが假令たとへ贅足むだあしになればとて元々なり某し一ト走りに追着おひつきたすけてやらん大方おほかた渠等かれら怪我けがもあらんにより本道ほんだう外科げくわ兩人の醫師を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あと四にん本道ほんだう休茶屋やすみちややくと、和井内わゐない主人しゆじん股立もゝだちいて、わかれをげたのであつた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「ハイ、三人目の行方知れずになつた本道ほんだう(内科醫)で御座います」
主人の七兵衞は、本道ほんだう(内科醫)が立合つて檢屍の末、毒を盛られたと判りました。その毒は、晝頃食べたなま菓子のあんの中に入つて居たのではあるまいかと——言ひますが、確かなことは判りません。