トップ
>
掻毮
>
かきむし
ふりがな文庫
“
掻毮
(
かきむし
)” の例文
雑貨店へ現われた時には、宙を
掻毮
(
かきむし
)
るような奇怪な身ぶりをしたというが、これは店員に強い印象を与えるためのしぐさに相違ない。
水中の怪人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
と
振向
(
ふりむ
)
き
状
(
ざま
)
に、ぶつきら
棒
(
ぼう
)
に
立
(
た
)
つて、
握拳
(
にぎりこぶし
)
で、
額
(
ひたい
)
を
擦
(
こす
)
つたのが、
悩乱
(
なうらん
)
した
頭
(
かしら
)
の
髪
(
かみ
)
を、
掻毮
(
かきむし
)
りでもしたさうに
見
(
み
)
えて、
煙
(
けむり
)
の
靡
(
なび
)
く
天井
(
てんじやう
)
を
仰
(
あふ
)
いだ。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今度
(
こんど
)
は、お
前
(
まえ
)
の
眼玉
(
めだま
)
も
掻毮
(
かきむし
)
るかもしれない。ラプンツェルはもうお
前
(
まえ
)
のものじゃア
無
(
な
)
い。お
前
(
まえ
)
はもう、二
度
(
ど
)
と、
彼女
(
あれ
)
にあうことはあるまいよ。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「
己
(
おれ
)
にゃ分からねえ‼」一人の荒くれが頭の毛を
掻毮
(
かきむし
)
りながら喚いた、「全体どっちが本当のジョオジなんだ、ええくそっ、いい加減にしろ‼」
黒襟飾組の魔手
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
若旦那
(
わかだんな
)
は、くわつと
逆上
(
のぼ
)
せた
頭
(
あたま
)
を、
我
(
われ
)
を
忘
(
わす
)
れて、うつかり
帽子
(
ばうし
)
の
上
(
うへ
)
から
掻毮
(
かきむし
)
りながら、
拔足
(
ぬきあし
)
に
成
(
な
)
つて、
庭傳
(
にはづた
)
ひに、
密
(
そつ
)
と
其
(
そ
)
の
窓
(
まど
)
の
下
(
した
)
に
忍
(
しの
)
び
寄
(
よ
)
る。
内
(
うち
)
では、
媚
(
なま
)
めいた
聲
(
こゑ
)
がする。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
「おめえが今さら泣くよりも、お絹のやつが自分から——おらを売ってくれろと云われた時にゃ、男のおらが……
腸
(
はらわた
)
を
掻毮
(
かきむし
)
られるような思いだっただ」
暗がりの乙松
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
然
(
しか
)
も、
先方
(
さき
)
は、
義理
(
ぎり
)
、
首尾
(
しゆび
)
で、
差當
(
さしあた
)
つては
間
(
ま
)
の
惡
(
わる
)
い
處
(
ところ
)
を、お
前樣
(
まへさま
)
が
突詰
(
つきつ
)
めて、
斷
(
た
)
つて、
垣
(
かき
)
も
塀
(
へい
)
も、
押倒
(
おしたふ
)
し
突破
(
つきやぶ
)
る、……
其
(
そ
)
の
力
(
ちから
)
で、
胸
(
むね
)
を
掻毮
(
かきむし
)
るやうにあせるから、
婦
(
をなご
)
も
切
(
せま
)
つて
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ひどい貧乏の沼で生立った銀太郎にとっては、この夢想は心臓を
掻毮
(
かきむし
)
られるほど快いものであった。——その黄金の夢が、しかし大長丸の不注意で粉々に砕かれてしまったのだ。
お繁
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
園
(
その
)
は
掻毮
(
かきむし
)
るやうに
窓
(
まど
)
を
開
(
あ
)
けた、が、
真暗
(
まつくら
)
である。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
掻
漢検準1級
部首:⼿
11画
毮
部首:⽑
11画
“掻”で始まる語句
掻
掻巻
掻込
掻合
掻廻
掻消
掻口説
掻取
掻分
掻乱